米Intelは現地時間2015年6月1日、米Alteraを約167億ドルで買収することで両社が最終合意に達したと発表した。両社が合意間近であることは、先週末、複数の米メディアが報じていた(関連記事:Intel、FPGAチップを手がけるAlteraの買収を近く発表か)。

 IntelはAltera株式1株につき現金54ドルを支払う。6~9カ月以内に手続きを完了する見通し。手続き完了後1年目で、非GAAP(米国会計原則)ベースの1株当たり利益とフリーキャッシュフローが増加すると見込んでいる。

 Intelは、AlteraのFPGA(Field Programmable Gate Array)技術を獲得することで、データセンターやモノのインターネット(IoT)市場のニーズに応じた新たなレベルの製品を提供できるとしている。AlteraのFPGA製品を「Intel Xeon」プロセッサと組み合わせ、高度にカスタマイズした統合製品を販売する。また、Intelの製造モデルを活かし、Altera製品の設計および生産面の改善を図る。

 FPGAチップは、特定のタスクを高速処理するために出荷後に構成を変更できる点が特徴。最近では、サーバーシステムと組み合わせて大規模なデータセンターで導入する事例が増えているという。

 IntelによるAltera買収の交渉は今年3月に報じられたが、Alteraが1株あたり54ドルの提示額を不満として4月にこれを断り、一度は交渉が決裂した。しかしその後Alteraが発表した決算が思わしくなかったため、主要投資家がAlteraにIntelとの交渉再開を迫っていた。

 半導体業界ではこのところ企業統合が盛んで、5月28日には米Avago Technologiesが米Broadcomを370億ドルで買収する計画について、両社が合意したと発表した(関連記事:整理統合が進む半導体業界、AvagoがBroadcomを370億ドルで買収へ)。

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