写真●HP ProLiant DL580 Gen9の外観
写真●HP ProLiant DL580 Gen9の外観
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 日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は2015年5月29日、ラックマウント型PCサーバーの最上位モデル「HP ProLiant DL580」を、現行世代の「Gen9」に刷新した(写真)。DWH(データウエアハウス)の性能ベンチマークであるTPC-Hの値は60万6822クエリー/時間で、従来世代「Gen8」の40万4006クエリー/時間と比べて約1.5倍に向上した。価格(税別)は226万7000円からで、同日販売を開始した。

 DL580は、高さ4Uのきょう体にCPUを4個まで搭載できるPCサーバー。同社のラックマウント型PCサーバーではハイエンドに位置する。CPUはXeon E7-4800/8800 v3(最大18コア)で、従来モデル(最大15コアのXeon E7-4800/8800 v2を搭載)よりも性能が向上した。最大メモリー容量は6Tバイト(メモリースロットは96個)で従来と同じだが、新たにDDR4規格のメモリーを搭載できるようにした。PCI拡張スロット数(9個)と内蔵ストレージ数(2.5型×最大10台)は従来と同じ。

 想定する用途は高性能データベースサーバーである。大量の非構造化データの分析やインメモリーデータベースによるリアルタイム分析などに向く。将来は、SAP HANAアプライアンスのエントリー構成「HP ConvergedSystem 500 for SAP HANA」にDL580 Gen9を採用する予定。

 DL580では、以前から可用性に注力している。例えば、UCE(修復できないエラー)が発生してもOSと連携してシステムダウンを回避するMCAリカバリー機能や、メモリーモジュール上の複数のメモリーチップのうち2個が故障してもシステムを停止せずにエラーを自動修復するDDDC機能を備える。

 ラックマウント型の「DLシリーズ」で現行モデルのGen9が出ているのは、全部で8モデル(関連記事:日本HP、初期費用を抑えたラックサーバー「10シリーズ」を新設)。2014年10月に「DL160」「DL180」「DL360」「DL380」の4モデルを、2014年12月に「DL60」「DL80」「DL120」の3モデルを販売した。今回、ハイエンドモデルのDL580をGen8からGen9に刷新した。