インターネットイニシアティブ(IIJ)は2015年5月27日、4K/8K映像データの蓄積およびトランスコード処理を効率化する「クラウド技術を使った映像データ分散トランスコーディング」の研究を実施したと発表した。研究成果は、「NHK技研公開2015」(5月28日から31日の開催)で発表する。

 この研究では、分散処理技術「Hadoop」を用いて、4K/8K映像データの蓄積からMPEG-DASHファイル生成までの処理基盤を開発し、処理性能を検証した。検証の結果、データの蓄積から配信準備までの業務効率を向上し、動画のトランスコード処理効率向上・高速化において、良好な結果を得ることができたという。

 具体的には、圧縮されていない一つの動画フォーマットから、マルチトランスコードを並列処理することで、従来方式より高速にインターネット配信用動画ファイルの生成を実現した。

 IIJでは、東京五輪が開催される2020年をターゲットに、ICT技術を用いた4K/8K映像の放送と通信の融合を支える配信サービスの実現へと、研究開発の成果を生かしていく方針。

 この研究は、NHKとの共同研究により実現した。NHKではICT技術を用いた新たな映像配信技術の研究開発に取り組んでおり、IIJとNHKは2013年度から両者が持つICTおよび放送の技術と強みを生かした新技術の発展と実用化を目指して、共同で研究開発を進めてきた。IIJとNHKは、この研究開発の実証段階へ向け、引き続き取り組みを進めていく。

[発表資料へ]