NECは2015年5月27日、ハードウエア障害に対する可用性をUNIXサーバー並みに高めた基幹業務向けx86サーバー「NX7700x」シリーズ(写真)を刷新し、後継モデル4製品の販売を開始した。7月31日に出荷する。既存モデルと比べて、メインメモリーの可用性を高めた。CPUも15コアから18コアに増やした。
NX7700xシリーズは、CPUやメモリーなどのハードウエアの故障に強いPCサーバーである(関連記事:x86サーバーでUNIX機並みの信頼性を確保、NECが基幹向けサーバー「NX7700x」を販売)。エラーの発生頻度が高くなったCPUコアを自動的に切り離し、予備のコアに置き換える。ライセンスの設定だけで有効コア数を動的に変更可能で、残りのコアを予備コアとして利用する仕組み。予備のメモリーを設定しておけば、メモリーが故障したときも予備に切り替えられる。
今回、主要モデル4製品について後継モデルを用意した。後継モデルでは、メモリーの故障に対する可用性を高めた。既存モデルはメモリー容量の1/4を予備のメモリーとして設定できるが、後継モデルは容量の2/4まで予備として利用できる。これにより、メモリーを交換することなく2回まで故障に耐えられるようになった。4個のメモリーチャネル(データ入出力チャネルが2個あるデュアルランク型DIMM×2枚)のうち、予備として使えるチャネルを従来の1個から2個に増やして対応した。
メモリーデータのミラーリング機能も強化した。メモリー領域を有効に利用できるように、ミラーリングする領域をメモリーアドレスで指定できるようにした。既存モデルはアドレス指定ができないので全データを二重化するしかなかったが、後継モデルはデータベースサーバーなど特定のアプリケーションが利用するメモリー空間に限って二重化できる。
後継モデルでは、CPUも15コアから18コアに刷新した。予備コアを運用しやすくしたほか、処理性能が約20%高まった。さらに、CPUとメモリーだけでなく、I/Oカードにも冗長性を持たせ、I/Oカードの故障時に予備のI/Oカードに切り替わるようにした。後継モデルの価格(税別)は168万4000円からで、4製品の概要は表の通り。
製品名 | CPU数 | 最小構成価格 |
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NX7700x/A3010M-4 | CPU×1~4(18~72コア) (予備コアは使用不可) | 168万4000円 |
NX7700x/A3012L-1 | CPU×1(18コア) | 301万7000円 |
NX7700x/A3012L-2 | CPU×2(36コア) | 358万9000円 |
NX7700x/A3012M-4 | CPU×2~4(36~72コア) | 327万5000円 |