米IDCが現地時間2015年5月26日に公表した世界のスマートフォン市場に関する調査によると、同年の年間出荷台数は14億4730万台となり、前年に比べ11.3%の増加にとどまる見通し。スマートフォン市場は世界全体では成長が減速するものの、多くの市場では今後も急成長が続く。これにより2019年の年間出荷台数は19億台に達すると同社は見ている。

 IDCによると、2015年はスマートフォン市場に2つの転換点が到来する年になるという。1つは中国における出荷台数の前年比伸び率が2.5%となり、初めて世界全体の伸び率を下回ること。もう1つはAndroid搭載端末の前年比伸び率が8.5%となり、こちらも世界全体のそれを下回ること。この2つは一時的なものではなく、今後も続くトレンドだとIDCは予測している。

 「スマートフォン市場には依然多くの成長機会がある。だが何年もの間世界市場をけん引してきた2つのセグメントで減速が始まった」とIDCのプログラムディレクタRyan Reith氏は述べている。世界最大の市場である中国は、すでに成熟段階に到達しており、かつてのような急成長は難しくなっていると同氏は指摘している。そしてこのことはAndroidに大きな影響を及ぼすという。中国は、Android端末の世界出荷台数の36%を占めており、同OSにとって重要な市場だからだという(関連記事:[データは語る]中国のスマホ出荷台数が6年ぶりに前年割れ、Appleが首位に)。

 IDCによると、米AppleのiPhoneも2012年から2014年までは同様に、出荷台数の前年比伸び率が業界全体の伸び率を下回っていた。だが昨年発売した大型の「iPhone 6」「同6 Plus」で状況が変わったという。また、「現在利用されているiPhoneの多くは6/6 Plusよりも前のモデルであるため、iPhoneには引き続き成長の余地がある」とRyan Reith氏は分析している。IDCが予測する2015年におけるiPhoneの年間出荷台数は2億3700万台。iPhoneは今年、前年実績から23.0%増加し、その後の伸び率も業界全体のそれを上回ると同社は見ている。

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