写真1●ワークデイの金翰新代表取締役社長ゼネラルマネージャ
写真1●ワークデイの金翰新代表取締役社長ゼネラルマネージャ
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 クラウドERP(統合基幹業務システム)のワークデイは2015年5月26日、事業説明会を開催した(関連記事:クラウドERP“最後の大物”、ワークデイが日本上陸)。2015年1月に日本市場に本格参入した同社は、4月にファーストリテイリングから受注。日本では後発ながら、大型顧客の獲得を機に引き合いは急増しているとアピールした。

 「新しいコンセプトのサービスを普及させるには、モデルケースを作ることが欠かせない」。説明会に臨んだ金翰新代表取締役社長ゼネラルマネージャは、こう語る(写真1)。日本市場の本格参入後の第1号顧客となったファーストリテイリングを挙げ、「リテールのリーディングカンパニーが当社サービスの価値を評価してくれた」(金社長)と、満足げだ。5月26日(米国時間)には、日系の大手製造業の新顧客も発表する予定だという。

 ワークデイは日本市場での短期戦略として、まずはグローバルに事業展開する企業を主要ターゲットにすることを掲げる。採用事例を積み重ね、攻勢を強めたい考えだ。

 ワークデイのクラウドERPは、人事・財務会計に関する管理・分析機能をワンストップで提供できるのが強み。同社は説明会で、最新バージョンが備える「Workdayタレントインサイト」の機能の一つ、離職リスク分析を紹介した。

 離職の危険度を横軸に、業務パフォーマンスを縦軸に取り、従業員をプロットして表示する。事業への貢献度が高く、離職の可能性がある従業員が誰なのかが一目で分かる。

写真2●ワークデイの宇田川博文ディレクター
写真2●ワークデイの宇田川博文ディレクター
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 利用企業における過去の離職者の行動を機械学習させ、離職の危険度を導き出すという。従業員を離職させないために有効な施策をレコメンドする機能も備える。企業に与える財務的な影響も予測できる。「人材だけでなく、財務管理にも貢献できる」と、宇田川博文ディレクターは力を込める(写真2)。

 本格参入から半年足らずで、大型受注に成功したワークデイだが、課題も見えてきた。「日本では、システムをブロック単位で管理する文化が浸透している。例えば、人事情報はデータベースで管理し、必要に応じてBI(ビジネスインテリジェンス)で分析すればよい、といった具合だ。こうした意識をくつがえし、当社サービスの価値を理解してもらいたい」と、金社長は語る。