日本マイクロソフトは2015年5月26日、都内で開発者や企業のIT管理者向けのイベント「de:code」を開催した。基調講演には米マイクロソフト コーポレートバイスプレジデント(Microsoft Azure担当)のジェイソン・ザンダー氏が登壇(写真1)。同社のクラウドサービス「Microsoft Azure」のデータセンターの現状や新機能について説明した。
ジェイソン氏によると、現在Azureのデータセンターを設置している地域は世界で19あり、米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)と米グーグルが設置している地域数の合計より多いという。1つの地域のデータセンターの面積は「ジャンボジェット2機を格納できる広さで、1つの地域には60万台のサーバーを設置している」(ジェイソン氏)とのことだ。
ジェイソン氏はIT管理者向けのAzureの新機能として、異なる種類のクラウドが混在するハイブリッドクラウド環境でのサーバー管理を容易にする「Operations Management Suite(OMS)」を紹介した(写真2)。OMSはサーバー運用管理ツール「System Center」の追加機能として提供される。
OMSを使うと、IT管理者はパブリッククラウドとプライベートクラウド、米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)のようなAzure以外のパブリッククラウドなど、環境が異なるクラウド上にあるサーバーの稼働状況などを1画面で管理できる。
IoT(Internet of Things:モノのインターネット)向けでは、大量データの保存サービス「Azure Data Lake」を紹介した(写真3)。データレイクとは、従来のデータウエアハウス(DWH、データの倉庫)が対象としていた「構造化データ」だけでなく、利用するかどうか分からない「非構造化データ(整形していないさまざまな形式のデータ)」も蓄積するという考え方を指す。
Azure Data Lakeを使えば、センサーなどが収集したあらゆる種類の膨大なデータを元の形式のまま、1カ所にまとめて保存できる。保存できるデータやファイルのサイズには制限がなく、「ペタバイト級のデータも1ファイルで管理できる」(ジェイソン氏)という。
保存した大量データは、ビッグデータ分析向けのソフト「Hadoop」をAzureで提供するサービス「HDInsight」などと連携できる。これらのサービスを使ってデータを分析することで、さまざまな洞察が得られるとする。