米Appleが今秋リリースする予定の次期モバイルOS(通称「iOS 9」)は、古いモデルのiPhoneやiPadに対するサポートが充実するようだと、複数の米メディア(9to5MacForbesなど)が現地時間2015年5月25日までに報じた。

 9to5Macは、事情に詳しい関係者の話として「iOS 9はA5チップを搭載したデバイスにも対応する」と伝えている。これには、2011年に発売された「iPhone 4S」や2012年に発売された初代「iPad mini」などが含まれる。

 Appleは、新しいiOSをリリースする際に数世代前の同社製モバイル端末をサポートする。だがForbesによるとそのうち最も古いモデルを新OSに移行すると、動作が遅くなったり、不安定になったりすることがあった。例えば、iPhone 4をiOS 6からiOS 7に移行した際は、動作速度が著しく低下した。またiPhone 4Sのプロセッサと3.5インチ画面は、現行のiOS 8との互換性が完璧とは言えないという。

 こうした問題を解消するため、Appleはこれまでとは異なるアプローチでiOS 9を開発しているという。9to5Macによると従来のiOS開発手法は、まずすべての機能を搭載した新OSを用意する。その後試験を行い、旧モデルで動作が不安定になる機能を見つけていく。そして、うした機能は新OSの旧モデル版から外すというやり方だった。これに対し新しい方法は、まずA5デバイスで動作するiOS 9のコアバージョンを開発し、それぞれの新機能を一つひとつ実現していく。これによりiPhoneやiPadの旧モデルでもiOS 9との互換性が保たれるという。

 また9to5Macによると、iOS 9では当初計画されていた新機能の多くが搭載されないことになったという。iOS 9は、品質や安定性を重視するOSとしてリリースされるという。関係筋は「(iOS 9は)消費者にとって新しいものが全くないOSとは言わないが、新機能のリストは当初の計画よりも短くなった」と話したという。