画面1●ソフトバンクモバイルがWebサイトで公開するAPTWAREのデモ画面
画面1●ソフトバンクモバイルがWebサイトで公開するAPTWAREのデモ画面
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 ソフトバンクモバイルは2015年5月25日、対話型のFAQシステム「APTWARE」の販売を開始した。ユーザーが知りたいことを自然言語で入力すれば、対話形式で回答を表示する(画面1)。第一弾として、ソフトバンクグループのWireless City Planningが社内向けに導入した。これを皮切りに、ソフトバンク・テクノロジーを通じて企業向けに販売する。販売パートナーも順次拡大する。

 APTWAREは、よくある質問とそれに対する回答から成るFAQデータの中から、ユーザーが求めるものを提示するシステム。企業内のヘルプデスクとして活用可能で、既にソフトバンクモバイル社内では各種手続きの問い合わせなどに利用している。企業が外部向けに公開するWebサイトに組み込むこともできる。

 APTWAREの特徴の一つが、問い返し機能だ。「スマホについて教えて」のような曖昧な質問に対しても、「スマホの何が知りたいですか?」などと問い返しを重ねながら、ユーザーの目的に合う回答を絞り込む。オープンソースの全文検索エンジン「Lucene/Solr」などを利用しつつ、FAQシステムに特化した機能を独自開発。問い返しの処理や、質問との適合率が高い回答を導く技術などを盛り込んだ。

 ユーザーの入力の途中で、関連する回答の候補を提示するサジェスト機能も搭載する。例えば交通費の精算に関して知りたい場合、「交通費」と入力すれば、「交通費」を含む質問の一覧が表示される(画面2)。ここから目的のものを選べば、回答が表示される。検索関連技術を手掛けるアティリカのエンジン「Akahai」を利用している。アティリカは、Lucene/Solrに組み込める日本語向け形態素解析システム「Kuromoji」の開発元でもある。

画面2●ユーザーが入力した単語に適合する質問の候補を提示
画面2●ユーザーが入力した単語に適合する質問の候補を提示
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 FAQや問い返し文、ユーザーが入力しそうな言い回しなどのデータは、あらかじめ企業がAPTWARE側に登録しておく必要がある。Excelシートを用いて、企業内の担当者が手軽にデータ登録できる仕組みを用意した。

 SaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)として利用するか、オンプレミスで利用するかを選べる。価格はオープン。SaaSで利用する場合、FAQが300件の場合で月額約25万円程度になる見込み。

APTWARE
Akahai