2015年5月20~22日にかけて、教育機関向けのIT関連製品やサービスの展示会「教育ITソリューションEXPO」が東京ビッグサイトで開催されている。教育関係者を対象にしたイベントで、デジタル教材や電子黒板、遠隔授業などの製品が一堂に会している。未発売の新製品や、製品化前の試作段階の展示も多く、来場者の関心を集めている。
デジタル教材を組み込んだ人型ロボット「Pepper」を参考展示するのは、学研ホールディングス(写真1)。学研教育出版の「こどもえいごずかん」をアプリとして搭載し、Pepperと対話しながらパズルをしたり、英単語を覚えたりできる。
例えばパズルゲームの場合。タッチパネル上に動物のシルエットが映し出され、「これは何の形かな?」とPepperがユーザーに呼びかけて回答を促す。正解すると、驚く身振りと共に「もしかして天才?」とほめる、といった具合だ。
アプリを開発したのはソフトバンクロボティクス。現在は、Pepperの企業向けモデルのサンプルアプリとしての活用などの可能性を探っているという。価格や提供開始時期などは未定。
ヤマハは、音楽学習向けのデジタル教材を参考出展する。合唱や器楽、作曲などの授業をターゲットにする。
合唱向け教材は、ソプラノ、アルトなどパート別の音取りを支援するもの(写真2)。楽譜と連動しながら各パートの音を再生したり、自分が歌った音程が正しいかどうかを自動判定したりする機能を搭載する。
同社の歌声合成技術「VOCALOID」を応用した作曲アプリ「iVOCALOID」も展示(写真3)。歌詞をテキストで入力し、音階や音の長さを設定するだけで歌を作れる。このほか、リコーダーやギターの習得に役立つ教材も展示する。
iVOCALOIDは既に3200円(税込み)でiOS向けに販売しているが、その他は製品化前の試作段階で、価格や提供開始時期は未定。展示会や実証授業などを通じて、実用化に向けての検討を重ねている段階だ。