米Hewlett-Packard(HP)は現地時間2015年5月21日、2015会計年度第2四半期(2015年2~4月)の決算を発表した。減収減益となったものの、企業向けサーバーの好調が寄与し、利益は市場予測を上回った。

 会計原則(GAAP)ベースの売上高は、254億5300万ドルとなり、前年同期と比べ7%減少した。純利益は同21%減の10億1100万ドル、希薄化後1株当たり利益は同17%減の0.55ドルだった。営業利益は14億3100万ドルで、同21%減少した。

 特別項目を除いた非GAAPベースの場合、純利益は前年同期比6%減の15億9600万ドル、希薄化後1株当たり利益は同1%減の0.87ドル、営業利益は同6%減の21億9500万ドルとなる。

 アナリストによる予測は売上高が256億3500万ドル、特別項目を除いた純利益が0.85ドルだった。利益がアナリスト予測を上回ったことから、HPの株価は時間外取引で1.5%上昇した(米Wall Street Journalの情報)。

 事業別の売上高は、パソコンやプリンターなどのPrinting and Personal Systems Group事業が131億9300万ドルで、前年同期から6%減少した。このうちパソコン部門が同5%減の77億4000万ドル、プリンター部門が同7%減の54億5300万ドルだった。

 サーバーや技術サービス、ストレージ、ネットワーキングなどを手がけるEnterprise Group事業の売上高は65億6100万ドルで前年同期から1%減少。業界標準サーバー(Industry Standard Servers)は同11%成長したものの、ネットワーク製品は同16%減、ビジネスクリティカルシステムが同15%減、ストレージが同8%減、技術サービスが同8%減と不調だった。

 このほか、アプリケーションやビジネスサービス、インフラ技術アウトソーシングなどのEnterprise Services事業は48億1700万ドルで前年同期比16%減少、Software事業は8億9200万ドルで同8%減少、Financial Services事業は8億500万ドルで同7%減少した。

 製品出荷台数は、ノートパソコンが前年同期比19%増加した一方、デスクトップパソコンは同14%減少し、パソコン全体では同2%増にとどまった。プリンターは同4%減少し、企業向けが同1%増、消費者向けが同6%減だった。

 同社は今後の業績見通しとして、2015会計年度第3四半期(2015年5月~7月)の1株当たり利益をGAAPベースで0.50~0.54ドル、非GAAPベースで0.83~0.87ドルと予測している。2015会計年度通年(2014年11月~2015年10月)については、1株当たり利益をGAAPベースで2.03~2.23ドル、非GAAPベースで3.53~3.73ドルとする従来の見通しを維持した。

 なお、同社は2015年末までに企業向け事業とパソコンおよびプリンター事業に会社を分割し、それぞれ独立した会社として運営する計画で(関連記事:HPの会社分割、企業向けはHewlett-Packard EnterpriseでPC/プリンターはHP Inc.)、「分社化は予定通り進んでいる」として、各社の最高財務責任者をはじめとする新たな幹部人事も発表した。

 またHPは同日、売却を検討中とされていた中国における企業向けネットワーク事業H3C Technologiesに関して、中国の清華大学が出資するTsinghua Holdings(清華企業集団)との提携を発表した。H3C Technologiesと中国サーバー/ストレージ/技術サービス事業からなる新会社(名称は「H3C」)の51%を、Tsinghua Holdings傘下のUnisplendour(紫光集団)が約23億ドルで取得する。HPは、中国におけるプリンターおよびパソコン、クラウド、ソフトウエアなどの事業は保持する。

[発表資料(決算)]
[発表資料(H3C売却)]