CA Technologiesは2015年5月21日、メインフレーム技術者育成のためのトレーニングコース「メインフレーム・アカデミー」を7月に開講すると発表した。米IBM製メインフレームの運用やシステム管理に携わるユーザー企業の情報システム部門が対象。背景には、「メインフレーム技術者が慢性的に不足している」(CA Technologies)という状況がある。1週間程度のコースを1年間に5回開催し、それぞれ6~10人程度の受講を見込む。
特徴は、ジョブエラー発生時の対応方法や分析方法にカリキュラムの多くを割り当てるなど、実務に則した実践的なカリキュラムを組んだこと。コースは受講者のスキルに応じて8日間の基礎コース「コア1」と7日間の上級コース「コア2」で構成する(表)。受講形式は、専任講師による講義、実機環境を使ったシナリオベースの実習、eラーニングによる自己学習で成り立つ。
カリキュラム | |||
---|---|---|---|
コア1 | z/OSの概要 | TSO/ISPFの操作 | JCL詳細 |
1日 | 3日 | 4日 | |
eラーニングによる自己学習(2日分相当) | |||
コア2 | ユーティリティ | システムプログラミング | z/OS構成とサブシステム |
1日 | 2日 | 4日 | |
eラーニングによる自己学習(2日分相当) |
コア1はメインフレーム初心者を対象としており、メインフレームの基礎からOS(z/OS)の操作(TSO/ISPF)、ジョブ制御言語(JCL)などを学ぶ。一方、コア2はシステム管理者を対象としており、ファイルシステムへのデータ格納(VSAM)やジョブのスケジュール実行(JES2)、システム保守(SMP/E)などを学ぶ。
価格(税別)は、基礎コース「コア1」が65万1000円、管理者向けコース「コア2」が44万5000円、これらのセットが99万2000円。第一回(コア1)の開催は7月2日から7月13日まで。開催場所はCA Technologiesで、講師はコンピューターサイエンス(CSC)が担当する。1年間で、コア1は7月と10月の2回開催し、コア2は8月と11月と2月の3回開催する。
CA Technologiesの丸山智之氏(写真)は、「メインフレーム市場はここ10年衰退しておらず、業種によっては拡大している」と現状を説明。ユーザー企業は技術者の育成を外部の専門家に任せたいと考えており、かつ短時間で育成したいと考えているという。メインフレーム・アカデミーは米国と欧州では8週間をかけて学ぶコースだが、国内では1週間業務から離れるだけで参加できるように短く改変した。