写真1●米フォーブが開発する、視線追跡機能を搭載したヘッド・マウント・ディスプレイ
写真1●米フォーブが開発する、視線追跡機能を搭載したヘッド・マウント・ディスプレイ
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 視線追跡機能を搭載したヘッド・マウント・ディスプレイ(HMD)を開発する米フォーブ(FOVE)は2015年5月19日、米国のクラウドファンディングサイト「Kickstarter」で資金調達を開始した(写真1)。製品の量産に向け、25万米ドルの目標額達成を目指す。

 フォーブは2014年5月に日本で創業したベンチャー(関連記事:視線追跡で入力の限界超える)。2015年2月に米国に拠点を移してHMDの開発を進めている。

写真2●フォーブCEO(最高経営責任者)の小島由香氏
写真2●フォーブCEO(最高経営責任者)の小島由香氏
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 同社が開発するHMDは、赤外線を使った視線追跡システムを搭載しており、装着者の眼球の動きを検知できる。加速度・角速度センサーも搭載しており、頭の動きを検出して、映像に反映する。例えば、装着者が頭を右に振れば、映像の中でも右を向く。

 映像表示部分の解像度は2560×1440ドット(WQHD)。視野角は100度以上で、重量は400グラムとなる予定。PCと専用ケーブルで接続し、PCから映像を伝送して使用する。ケーブルの接続端子はUSB 3.0と DisplayPortに対応する。

 映像を投影するだけでなく、装着者の視線運動で入力を制御できることも特徴だ。フォーブCEO(最高経営責任者)の小島由香氏は「VR(仮想現実)の映像には、マウスやキーボードよりも適したインタフェースだ」と話す(写真2)。

 同日、報道関係者向けに開いた発表会では、視線を動かすことで映像中の飛行物体を撃ち落すデモを紹介した。当初はゲームでの利用を見込むが、小島CEOは「ゲーム用途に限らず、医療手術の訓練や自動車などの運転シミュレーションなどに活用できる」と話す。

 2016年春に開発者キットを提供開始する予定だ。価格は、349米ドルから。小島CEOは「一般向け製品の提供開始は未定だが、400~500米ドルで提供したい」と述べた。