中国検索大手のBaidu(百度)が、コンテンツレコメンデーション技術を手がける米Taboolaの中国進出に関して提携を結んだと、複数の米メディア(Wall Street JournalBusiness InsiderTechCrunchなど)が現地時間2015年5月18日に報じた。BaiduはTaboolaに戦略的投資を行ったという。

 Taboolaは、ニューヨークに本社を置き、世界で約270人の従業員を抱える。ニュースサイトなどでお勧めコンテンツへのリンクを表示するウイジェットを提供している。リンクは通常、記事ページの下部に表示され、Business Insiderのほか、「USA Today」「NBC News」「Fox Sports」などが導入している。

 2月に1億1700万ドルのシリーズE投資ラウンドを完了し、調達した資金は合計で1億5700万ドルにのぼった。その際、Taboola創業者で最高経営責任者(CEO)のAdam Singolda氏は、優先課題の1つとして国際事業の拡大を挙げていた。

 Singolda氏は今回のBaiduによる出資額を明らかにしていないが、関係者から得た情報によると2000万~3000万ドルと見られる。

 Taboolaは米国で強力なプレゼンスを築いているほか、昨年ヤフーと提携を結んで日本市場に進出した。最近はイスラエルにも積極的に事業を広げている。

 一方Baiduは、2015年第1四半期の決算で、モバイルが売上高全体に占める割合が初めて半数を超えた。しかし同社の売上高と純利益は前年実績を下回り、Taboolaとの提携によってBaiduはモバイル向け製品による収入増加を図ろうとしている。米国や欧州では大手サイト上でのスポンサードリンク提供は一般的だが、中国ではそのようなサービスはまだほとんどない。