中国のスマートフォンメーカー、Xiaomi(小米科技)が米国と欧州でまもなく直販サイトを開始すると、海外メディア(米CNET英Guardianなど)が現地時間2015年5月18日に報じた。

   CNETによると、米国では太平洋夏時間の5月18日午後7時から、欧州(英国、ドイツ、フランス)では中央欧州夏時間5月19日午後1時から、同社の直販サイト「Mi Store」でXiaomiブランド製品の販売を始める。取り扱う製品はヘッドフォン、モバイルバッテリー、フィットネスバンドなどのアクセサリー製品で、スマートフォンやタブレット端末は販売しない。

 今回の報道に先立ち、Xiaomiは米サンフランシスコでイベントを開き、直販サイトの海外展開計画について発表していた。この時、グローバル事業を統括するHugo Barra氏は、「現時点で、スマートフォンとタブレットの販売は我々の計画にない」と述べていた。その理由は、「ハードウエアとソフトウエアのローカライズ、そして通信認可の取得には、とてつもない作業が必要だから」(同氏)というものだった(関連記事:Xiaomi、米国で直販サイト立ち上げ、スマホ以外の製品販売へ)。

 ただしGuardianはこれについて、Xiaomiのモバイル製品は他社の知的財産を侵害しているおそれがあり、同社は慎重になっていると伝えている。Xiaomiのスマートフォンをめぐっては、スウェーデンEricssonが自社の通信関連特許が無断で使用されたとして、インドで訴訟を提起した。これを受けデリー高等裁判所は昨年12月、同国におけるXiaomi製品の販売一時中止を命じた(関連記事:Xiaomi、インドで一時販売禁止、特許侵害訴訟で)。

 またXiaomiのスマートフォンについては、米Appleのデザイン担当シニアバイスプレジデント、Jonathan Ive氏が「デザインをまねすることは窃盗であり、怠慢だ」と非難するなど、もし欧米でXiaomiのモバイル端末が販売されれば同様の訴訟が起こりそうだと、Guardianは伝えている。

 Xiaomiの直販サイトは現在、中国本土、香港、台湾、シンガポール、マレーシア、フィリピン、インド、インドネシアでサービスを提供しており、同社はこれらの国と地域でモバイル端末を販売している。CNETによると、同社は今後数カ月以内にブラジルでスマートフォンの販売を開始したいと考えている。