写真1●「みらいスクールステーション」のデジタル教科書対応機能
写真1●「みらいスクールステーション」のデジタル教科書対応機能
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写真2●デジタルテレビに接続する「メディアボックス」
写真2●デジタルテレビに接続する「メディアボックス」
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 富士ソフトは2015年5月18日、同社の教育向けソリューション「みらいスクールステーション」を、デジタル教科書に対応させると発表した。教室内のテレビを使って、リモコン操作でデジタル教科書を表示したり操作したりできるようになる(写真1)。対応製品は、2015年9月に発売予定。2017年度末までに、累計で1000校への導入を目指す。

 みらいスクールステーションは、「メディアボックス」と呼ぶ専用端末をテレビに接続することで、教材コンテンツの視聴や校内放送などを可能にするソリューション(写真2)。校内またはネット上のサーバーなどに置かれたコンテンツを、校内LANを通じて取得/表示する。教室内にパソコンは不要で、リモコンで操作可能。「パソコン操作が得意でない先生も手軽に使える」(富士ソフト 常務執行役員 プロダクト・サービス事業本部長 渋谷正樹氏)ことや、電子黒板に近い機能を低コストで実現できることなどが評価され、約160校に導入されている。

 今回新たに用意するのは、指導者用デジタル教科書の再生機能。デジタル教科書が備える画像や動画、音声などをテレビで視聴できるようになる。リモコンのほか、無線接続の専用タッチパッドでも操作可能。まずは2015年9月に、東京書籍および教育出版のデジタル教科書に対応。この2社以外のデジタル教科書にも順次対応を進める。

 製品発表会には、東京書籍と教育出版の代表者も参加。「電子黒板がない教室には指導者用デジタル教科書の展開が難しかったが、テレビにも展開できるのはありがたい」(東京書籍 常務取締役 ICT事業本部長兼出版事業本部長 内田宏壽氏)、「授業でコンテンツを生かすには、操作が簡単で使いたいときに使えることが重要。みらいスクールステーションはそのための一つの手段になる」(教育出版 常務取締役 事業開発局長 吉田利明氏)などと期待を示した。

 みらいスクールステーションの価格は、初期費用が1校20教室の場合で300万~350万円程度。別途、年額約10万円の保守費用が必要。デジタル教科書の再生機能はオプションとして提供予定で、価格は未定。