米Appleの「HomeKit」に対応する製品は、2015年6月中にも発売される可能性が高いと、複数の米メディア(Wall Street JournalTechCrunchCNETなど)が現地時間2015年5月14日に報じた。

 HomeKitをめぐっては、米Fortuneが情報筋の話として、対応製品の発売時期は当初予定の5~6月から、8月終わり~9月にずれ込むと伝えていた。AppleはHomeKitのソフトウエアコードに改良を加える必要に迫られているという。

 ところがAppleの広報担当者は5月14日に声明を出し、Fortuneの記事の内容を一部否定した。Wall Street Journalによると、広報担当者のTrudy Muller氏は「HomeKitのハードウエア認定プログラムは数カ月前に始まっている」とし、「対応製品の市場投入を計画しているパートナー企業は数十社あり、我々はいくつかが最初の製品として6月に登場することを楽しみにしている」と述べている。

 Fortuneなどによると、これまでHomeKit対応製品の発売時期についてApple自らが言及したことはない。だが、ある開発者が米Re/codeに「5~6月になる」と伝えたことが報道され、話題になっていた。またFortuneは、Appleが2015年6月に開催する開発者会議で、HomeKit関連製品について発表を行う計画だとも伝えている(関連記事:Apple、「WWDC」を6月8~12日開催、新音楽サービス発表はあるか?)。

 HomeKitは、iOS端末で家庭の様々な機器を制御、管理できるようにするソフトウエアプラットフォーム。昨年開催した開発者会議で、ソフトウエアエンジニアリング担当上級バイスプレジデントのCraig Federighi氏が発表した。これを使えば、玄関ドアの施錠/開錠、ガレージドアの開閉、照明器具の点灯/消灯などがiPhoneやiPad、Apple Watchの通知画面をタップしたり、音声アシスタント「Siri」に命令したりするだけでできるようになる。

 FortuneによるとHomeKitでは特定の“場面”ごとに複数機器を一括制御できる。例えば「外出」という場面を設定すれば、ドアの施錠、消灯などを一括して行える。現在発売されている他社製品でも同様のことは可能だが、機器の設定、制御、管理などが煩雑であるため、Appleの統一的で使い勝手のよいユーザーインタフェースが期待されていると、Fortuneは伝えている(関連記事:Apple TV新モデルがWWDCに登場か、Siri/HomeKit/App Storeに対応)。