写真●「Instant Articles」のサイト
写真●「Instant Articles」のサイト
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 米Facebookは現地時間2015年5月12日、出版社がFacebookのiPhone向けアプリでニュース記事を配信できる新サービス「Instant Articles」を開始すると発表した。これに伴い同社は米New York Timesや米National Geographic Societyなど9社・団体と提携した。今後数カ月かけてこれらパートナーとともに同サービスで提供される記事を拡充していくとしている。

 Facebook上のニュース配信では、ニュースのタイトルや概要とともにニュースサイトのページへのリンクが掲載されている。だがFacebookによると、リンクからWebブラウザーで記事を開くまでに平均8秒かかっており、これはFacebookのコンテンツとしてもっとも遅いユーザー体験だという。

 そこでInstant Articlesではニュース記事が表示されるまでにかかる時間を従来の10分の1に縮めたと同社は説明している。このほか記事の中には、高精細写真、スクロールすると自動再生される動画、インタラクティブな地図、音声キャプション、読者のコメント欄、「いいね!(Like)」などを組み込める。また出版社は既存の解析ツールを使ってユーザーデータやトラフィックなどを管理できるという。

 米メディア(Wall Street Journal)によると、出版社は記事内の広告枠を自社で販売することができ、広告収入のすべてを自社で受け取れる。Facebookの広告ネットワークを利用することも可能で、その場合は広告収入の30%をFacebookに支払う。

 Wall Street Journalによると、5月13日時点でInstant Articlesで配信されたニュース記事の数は5本。米Atlantic、New York Times、米NBC、National Geographic、米BuzzFeedからそれぞれ1本の記事が配信されたという。このほかFacebookはInstant Articlesに関し、英Guardian、英BBC News、ドイツSpiegel、ドイツBildとも提携している。

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