写真1●SansanのAPIパートナーになるサイボウズの林田保執行役員ビジネスマーケティング本部長
写真1●SansanのAPIパートナーになるサイボウズの林田保執行役員ビジネスマーケティング本部長
[画像のクリックで拡大表示]
写真2●日本郵便の津山克彦執行役員郵便・物流営業部担当
写真2●日本郵便の津山克彦執行役員郵便・物流営業部担当
[画像のクリックで拡大表示]
写真3●Sansanの富岡圭取締役Sansan事業部長
写真3●Sansanの富岡圭取締役Sansan事業部長
[画像のクリックで拡大表示]

 クラウド型名刺管理サービスのSansan(関連記事:IT×人力の名刺管理で世界へ)は2015年5月12日、法人向けサービス「Sansan(サンサン)」のAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)を公開すると発表した。パートナー企業のシステム・サービスとの間で、柔軟に名刺データを連携できるようにする。

 2015年8月中旬以降に順次、約20社の先行パートナーの製品とのデータ連携を始める。先行パートナーには、サイボウズ、セールスフォース・ドットコム、日本マイクロソフト、日本郵便、NTTコミュニケーションズ、SAPジャパンなどが名を連ねた。

 パートナー企業は、それぞれが提供する営業支援システムや顧客管理システムなどで、SansanのAPIを呼び出し、名刺データを取り込んで活用できるようになる。SansanはRESTful APIとJavaScriptライブラリーをパートナー向けに無償で提供する。通信内容はパートナーに合わせた方式で暗号化する。

 サイボウズはまず、業務アプリ構築プラットフォーム「kintone」のプラグインとして、Sansan連携機能を盛り込む方針だ(関連記事:サイボウズ、kintoneにサードパーティ製プラグイン取り込み機能を追加)。

 林田保執行役員ビジネスマーケティング本部長(写真1)は、「kintoneを使って顧客管理や案件管理などのシステムを構築する際に、名刺データは不可欠になる。従来は手入力したり、手入力したエクセルファイルを取り込んだりする手間がかかっていた。これをSansanという外部サービスに“アウトソース”することで、業務がスムーズになるはずだ」と話した。

年賀状の法人需要回復を狙う

 日本郵便の津山克彦執行役員郵便・物流営業部担当(写真2)は別の観点からのAPI活用を考えている。2015年末の年賀状作成シーズンまでに、SansanのAPIを利用して、年賀状の作成や送信ができるサービスを始める予定だ。

 津山執行役員は、「Sansanとは年賀状拡販キャンペーンでお付き合いがあり、今回のオープン化についても強くお願いをした。企業が交わす年賀状や、移転・昇進などのあいさつ状の郵送数は伸び悩んでいる。だが名刺交換をした後で年賀状などをやり取りしたいという一定のニーズはあるはずだ。年賀状などの時期に改めて名刺情報を入力しなくても、Sansanのインフラを使うことで、はがき・手紙によるコミュニケーションを気軽にできる環境を作りたい」と述べた。

 Sansanの富岡圭取締役Sansan事業部長(写真3)は「パートナーは今後もオープンに募る。ビジネスインフラとして名刺データを活用したいというニーズがあればどんどん参加していただきたい」と話した。Sansanは米国など海外でも事業展開しており(関連記事:名刺管理のSansanがついに海外進出、米国法人市場を開拓)、将来的には海外におけるAPIパートナーも募る方針だ。