米Googleが開発中の自動運転車両が、実験開始から6年間に11件の事故に遭っていることが分かった。同開発プロジェクトのChris Urmsonディレクターが技術系ブログメディア「Backchannel」に寄稿した現地時間2015年5月11日付けの記事で明らかにしたとして、複数の海外メディア(米USA TODAY英Telegraphなど)が報じている。

 Urmson氏のブログ記事によると、11件の事故はすべて軽度のもので、けが人はないという。Googleの自動運転車両のテスト走行距離は170万マイル(約274万km)にのぼり、そのうち100万マイル(約161万km)は自動運転モードで行われている。

 事故は自動運転モードとドライバーが操作する通常運転モードの両方で発生し、7件は主に信号待ちで後ろから追突された事故だった。そのほか、車体の横をこすられたことが2回、信号無視の車に衝突されたことが1回あったという。

 Urmson氏のブログ記事は、米Associated Press(AP通信)が、昨年9月からGoogleの自動運転車両に3件の事故があったと報じた直後に公開された。

 AP通信が米カリフォルニア州自動車省に確認したところ、自動運転車両の事故は4件あり、1件については米Delphiから事故報告書のコピーを入手した。別の自動運転車両をテストしている企業5社からは事故がなかったとの回答を受けたため、残り3件はGoogleの車両とAP通信は判断。事故について公表していないGoogleを「透明性の欠如だ」と批判した。なお4件の事故のうち、2件は自動運転モードだったという。

 米消費者保護団体のConsumer Watchdogも同日、声明を発表。公道における無人車両のテスト走行は他のドライバーを危険な目に遭わせる可能性が高いとして、Googleに対し、これまでの事故と今後の事故について詳細を公開するよう強く求めた。