写真1●ソフトバンクの孫正義社長
写真1●ソフトバンクの孫正義社長
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写真2●孫社長の実質的な後継者として指名されたニケシュ・アローラ氏。グーグル出身でソフトバンクグループ(持ち株会社)の代表取締役副社長に就任する
写真2●孫社長の実質的な後継者として指名されたニケシュ・アローラ氏。グーグル出身でソフトバンクグループ(持ち株会社)の代表取締役副社長に就任する
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 「(ソフトバンクグループの)実質的な後継者指名と問われれば、答えはイエス」---。2015年5月11日に開催したソフトバンクの通期決算会見の席上で孫正義社長(写真1)は、同社のニケシュ・アローラ バイスチェアマン(写真2)を6月19日付で代表取締役副社長に任命すると決めたことについて、このように答えた。

 ニケシュ・アローラ バイスチェアマンは、2014年9月にソフトバンクに合流し、海外M&A戦略を担当。ソフトバンクに合流する以前は、米グーグルに約10年間に渡って在籍していた。「ニケシュはグーグルというインターネットの世界一の会社で実質的に経営に携わってきた。私を遙かに上回る才覚を持っている。ニケシュが事故に遭わない限り、彼が最も重要な後継者候補だ」(孫社長)とぞっこんな様子だ。

 実際、孫社長は「朝起きて真っ先に電話をかける相手が彼(ニケシュ氏)。夜最後に電話するのも彼。これまで社内でも社外でも、ここまで話が通じ合う相手は少なかった」と語るなど、孫社長にとってニケシュ氏は、最も気心が知れたビジネスパートナーとなっているようだ。

 今回の体制変更に合わせて、ソフトバンク(持ち株会社)は7月1日付でソフトバンクグループに社名変更する。これまで孫社長の英文タイトルは、上場以来一貫してプレジデント&CEOだったが、ニケシュ氏の代表取締役副社長就任に合わせて、チェアマン&CEOとする。それに伴ってニケシュ氏の英文タイトルはCOO&プレジデントとなる。「事実上初めてプレジデントを他人に与える。それなりに重要な意味を持っているが、まだ私は引退するつもりはない」と孫社長は続ける。