ハイテク業界、そして金融業界が注目する米Salesforce買収の憶測。その最中の2015年5月5~7日に欧州SAPが米フロリダ州オーランドで開催した年次カンファレンス「SAPPHIRE NOW 2015」で、CEO(最高経営責任者)を務めるBill McDermott氏(写真)は「Salesforceの買収? 興味ゼロだ」と語った。

写真●SAPでCEOを務めるBill McDermott氏
写真●SAPでCEOを務めるBill McDermott氏
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 SAPは同カンファレンスで、2月に発表した次世代ビジネススイート「S/4HANA(SAP Business Suite 4 SAP HANA)」を全面に押し出した。パブリッククラウド環境で利用する「cloud edition」を正式に発表したほか、高速、シンプル化などの特徴を活用して企業に“Run Simple”とデジタル時代に向けたビジネスモデルの変革を呼びかけた。

 記者からの質問に対するMcDermott氏の発言は以下の通り。

●今年のSAPPHIRE NOWのキーメッセージ

 “Run Simple”だ。Run Simpleは会社の方針であり、ブランドでもある。

 Run Simpleはデータ主導とシームレスの2点から説明できる。インメモリーデータベースの「HANA」を使えば、一つのデータプラットフォームで全てを動かすことができる。システムをシンプルにして、データの最大活用にフォーカスできる。これがデータ主導だ。

 シームレスは、自社の社員同士、あるいは顧客とのやり取りや取引を継ぎ目なく(シームレスに)実行することだ。その中で、どのように顧客体験をデジタル化し、収益に変えるかが重要になる。

 さらに、ビジネスネットワークを利用してビジネスを拡大していく必要がある。われわれは購買ネットワークのAriba、派遣管理のFieldglass、それに経費精算のConcurを買収している。これらのビジネスネットワークを利用して、社外とも接続できる。