写真●HBMの概要を説明する米AMDのマーク・ペーパーマスターCTO(最高技術責任者)
写真●HBMの概要を説明する米AMDのマーク・ペーパーマスターCTO(最高技術責任者)
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 米AMDは2015年5月6日(米国時間)、ニューヨークで投資家向け会議「2015 AMD Financial Analyst Day」を開催し、2015年後半の製品戦略やロードマップを発表した。その中でAMDは、次世代のメモリーインタフェースとして期待されている「HBM(High Bandwidth Memory)」を、同社のGPU(Graphics Processing Unit)に採用することを明らかにした。GPUでのHBMの採用は業界で初めて。グラフィックスボードメーカーは、HBM搭載製品を第2四半期中に発売する見通し。

 HBMは、DRAMのダイ(半導体本体)を積層し、GPUコアなどとICパッケージ上で接続することで広帯域を実現する技術。AMDは次期GPUを搭載したグラフィックスボードで、従来のGDDR5メモリーの代わりにHBMを利用する。AMDで技術開発を統括するマーク・ペーパーマスターCTO(最高技術責任者、写真)は「HBMを利用すると、消費電力がGDDR5メモリー利用時の半分以下に抑えられる」とする。消費電力当たりの性能は3倍以上になるという。

 HBMは、業界団体のJEDECによって現在標準化が進められている。AMDは、標準化に先駆けて量産製品にHBMを採用する。AMDはHBMを採用したGPUの具体的な仕様は明かさなかった。