日本郵政のシステム子会社である日本郵政インフォメーションテクノロジー(JPiT)は2015年4月30日、ソフトバンクモバイル(SBM)と野村総合研究所(NRI)を相手取って、161億5000万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に提起したと発表した。

 JPiTの主張によれば、全国の郵便局など約2万7000拠点を結ぶ通信ネットワークを刷新する「5次PNET」構築プロジェクトにおいて、SBMとNRIに発注した業務で履行遅滞が生じた。SBMには通信回線の敷設工事などを、NRIにはネットワークの移行管理・調整業務を発注していたという。納期を2015年3月31日から6月30日に延期することを余儀なくされたため、日本郵政グループに損害が発生したとしている。

 一方SBMも4月30日、JPiTから受注した通信回線敷設工事等の「追加業務」に関する報酬など約149億円について、支払いを求める訴訟を東京地裁に起こしたと発表した。SBMは、発表資料において「当初の契約における受注業務の範囲を超える業務も実施してきました」「この追加業務に関する報酬等(約149億円)について、JPiTとの間で、これまで長期間にわたり交渉を継続してきましたが、協議による解決には至りませんでした」と主張している。

 JPiTから提訴されたNRIは、「訴状が届いていないのでコメントできない。現時点では反訴などの決定はしていないが、訴状を精査して今後の対応を検討する」(コーポレートコミュニケーション部)としている。

日本郵政の発表資料
ソフトバンクモバイルの発表資料