米IHS Technologyは現地時間2015年4月30日、米Appleの腕時計型ウエアラブル端末「Apple Watch」の実機を分解して調査した原価分析結果を発表した。それによると、アルミニウム製の「Sport」モデルのハードウエア原価はメーカー希望小売価格の約24%で、その割合はIHSがこれまで調査したApple製品で最も低いという。

 IHSが調査した他のApple製品は、MSRPに対するハードウエア原価の割合が29~38%と見積もられている。

 IHSによると、38mmサイズのApple Watch SportのBOM(Bill of Material:部品表)に基づく原価は81.20ドルで、製造コスト2.50ドルを合わせると推定83.70ドルとなる。Apple Watch Sportは希望小売価格349ドルで販売されている。

 最も高価な部品はディスプレイ(韓国LG製ディスプレイと台湾TPK製タッチスクリーン)で20.50ドル。Appleの「S1」プロセッサは10.20ドル。メモリー(東芝製NAND型フラッシュと米Micron製DRAM)は7.20ドル、各種センサーは合計3.00ドル、バッテリーは0.80ドルと見られる。同梱される充電器やアダプターなど一式は推定9.00ドルとなる。

 また、Apple Watchの特徴の1つである「Taptic Engine」については、「本体内部のかなりの空間を占有しているが、将来的に小型化される可能性がある」とIHSは見ている。Taptic Engineは2つの供給元のうち中国AAC Technologies Holdings製に欠陥が見つかり、Apple Watchの出荷が遅れている要因の1つになっていると報じられた(関連記事:Apple Watch、大量出荷を阻んでいるのは部品の欠陥、米メディアが報道)。

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