米Appleが現地時間2015年4月24日に発売した腕時計型ウエアラブル端末「Apple Watch」は、リニアアクチュエータ「Taptic Engine」の欠陥が出荷の遅れにつながっていることが分かったと、米Wall Street Journal(WSJ)が報じている。

 Taptic EngineはApple Watchの特徴の1つで、アラートや通知の際などにユーザーの手首を軽く叩くような振動を与える仕組み。中国AAC Technologies Holdingsと日本電産が部品の製造を担当している。

 WSJが関係者から得た情報によると、2月にApple Watchの大量生産を開始し、品質テストを行ったところ、AAC Technologies製のTaptic Engineの一部に不具合が見つかった。日本電産製には不具合が認められなかったため、ほぼすべてのTaptic Engineを日本電産が供給することになるが、増産に対応するまでに時間がかかる見通しという。

 Appleはテスト結果を受けて完成品の一部を廃棄しており、欠陥製品を消費者に販売した兆候はないためリコールする計画はないとしている。

 AppleはApple Watchの先行予約を受ける前日の4月9日、同端末が供給不足になる可能性があるとの見通しを示し、当初はオンラインからの注文のみ受け付けると発表していた(関連記事:「Apple Watch」の注文はオンラインのみ、発売時の供給不足を想定)。また、同社直営店およびオンラインストア担当シニアバイスプレジデントのAngela Ahrendts氏が小売店の従業員に「オンラインのみで注文を受け付ける状況が5月いっぱい続く」と伝えたとも報じらた(関連記事:「Apple Watch」の店頭販売は6月以降に、販売責任者が明言)。

 米調査会社Slice Intelligenceによると、米国でApple Watchを予約注文した人のうち、発売日を含む週末に製品を手に入れた割合は22%にとどまる(米CNET の情報)。Apple Watchの多くのモデルが出荷予定を6月以降としている一方で、予定より早く製品が届いたケースも報じられている(米Ars Technicaの報道)。