NECとパナソニックは2015年4月28日、国際会計基準(IFRS)を任意適用する方針を明らかにした。NECは2017年3月期に日本基準(日本の会計基準)からIFRSへ、パナソニックは同時期に米国会計基準からIFRSへそれぞれ移行する計画だ。

 NECは2015年3月期決算短信で、IFRS採用の意向を表明した。「資本市場における財務報告の国際的な比較可能性の向上」が目的。「NECグループは」としており、NECネッツエスアイなど上場しているグループ会社も対象になるとみられる。

 パナソニックは適時開示でIFRS採用を公表した。「グローバルに統一されたルールに基づく運営」により、「経営管理の精度向上とガバナンスの強化」、さらに「キャッシュフローを中心とした企業価値の向上」を図っていくとしている。2017年3月期の第1四半期から第3四半期までは従来の米国会計基準を利用し、期末の決算短信や有価証券報告書からIFRSを使う。

 4月28日には自動車部品の八千代工業も適時開示でIFRS任意適用を表明し、IFRS任意適用を適時開示で表明した企業はこれで80社となった。IT関連企業ではディー・エヌ・エーや楽天、ネクソン、ソフトバンク、ヤフー、伊藤忠テクノソリューションズ、富士通、セイコーエプソンなどがIFRSを適用済み(関連記事:IT大手が相次ぎIFRS任意適用、CTC、富士通、セイコーエプソンが表明)。日立製作所やクックパッド、KDDI、東芝なども、今後適用する計画だ(関連記事:日立、IFRSの任意適用を表明)。

 80社のほか、NECのように適時開示はしていないものの決算短信でIFRSの適用を表明している企業もある。日本取引所グループは、適時開示をしていない企業を含めたIFRS適用状況を6月にも公表する予定だ。