ユニクロは2015年4月28日、消費者が自分でTシャツをデザインできるスマートフォンアプリで、デザインしたTシャツを販売できる新サービスを始めた。Tシャツが売れたら、1枚につき300円を受け取れる。ユニクロは新サービスを通じてTシャツファンの増加を図る。

写真1●左からユニクロの中村氏、ゲストの「かっこいい犬。もっちー」と陣内智則さん、ユニクロの松沼氏
写真1●左からユニクロの中村氏、ゲストの「かっこいい犬。もっちー」と陣内智則さん、ユニクロの松沼氏
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 新サービスの名称は「UTme!マーケット」。オリジナルのTシャツをデザインできるアプリ「UTme!」に新機能として追加した。

 「Tシャツは自分を表現するメディア。Tシャツのデザインを通じて、一つのコミュニティーを作りたい」。UTme!のクリエイティブディレクターを務める中村勇吾氏は、新サービスの狙いをこう話す(写真1)。UTme!の提供開始は2014年5月。ユニクロによれば、家族や友人へのプレゼント、会社や飲食店でそろいのTシャツを作るといった利用例があるという。新サービスで「クリエイターの才能を発掘し、利用者同士がつながるようになればうれしい」(松沼礼グローバルマーケティング部プロジェクトリーダー)。

 新サービスは(1)UTme!のアプリを使ってTシャツをデザイン、(2)アプリ内からUTme!マーケットに出品、(3)売れた枚数に応じてデザイン料を受け取りといった流れをとる(写真2)。従来は(1)でデザインしたTシャツを、自分で購入することしかできなかった。

写真2●自分好みのTシャツをデザインできる
写真2●自分好みのTシャツをデザインできる
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 デザイン作業では、利用者はまず絵柄の素材を選ぶ。素材として文字や画面に手書きした絵、スマホ内に保存した写真、そしてユニクロが用意した「スタンプ」と呼ぶイラストを使える。

 素材を選んだら装飾効果を施す。利用者がスマホを振ると、絵柄にモザイクをかけたり輪郭をぼやかしたりするなど、絵柄が自動的に変化する。

 利用者はデザインしたTシャツをアプリ内の販売用ページに出品し、他の利用者に向けて販売できる。人気の高いデザインのTシャツはランキング形式で表示される。

 Tシャツの価格はホワイトが1990円(男性用、女性用)、ブラックが2990円(同)など。UTme!マーケットで購入する場合、購入者は上記価格に加えて出品者へのデザイン料300円を追加で支払う。ユニクロは6月にも、気に入ったTシャツやその投稿者をフォロー(登録)する機能を提供する方針。