Time Warner CableのWebサイト
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 米Comcastと米Time Warner Cable(TWC)は現地時間2015年4月24日、ComcastによるTWC買収計画を取りやめると発表した。

 両社は2014年2月に同買収計画の合意を発表。Comcastは総額約452億ドルでTWCがニューヨーク市や南カリフォルニアなどに展開するケーブル事業や、3万カ所以上のWi-Fiスポットを獲得する計画だった(関連記事:ComcastがTime Warner Cableを約452億ドルで買収へ)。

 ComcastのBrian Roberts会長兼最高経営責任者(CEO)は「合意条件では、政府当局の承認が得られない場合、買収案を撤回できることになっていた」と説明し、当局が承認に難色を示していたことを示唆した。

 TWCのRobert Marcus CEOは米Wall Street Journalの取材に対し、「この数日で、当局から承認が得られない見通しが強くなった」と答えた。米連邦通信委員会(FCC)のTom Wheeler委員長は、同買収計画が実現すれば米国最大規模のブロードバンドおよびビデオ加入者を抱える企業が誕生し、「市場競争と革新性に受け入れがたいリスクをもたらす可能性がある」と懸念していた。

 買収案の撤回に伴い、Comcastは米Charter Communicationsとの契約も解消する。CharterはComcastが買収計画の一環として、競争上の懸念を回避するために手放す加入者を受け入れることで合意していた(米CNETの情報)。

 CharterはComcastとTWCが合意を発表する前にTWCに対して買収を提案していた経緯があり、今回の買収計画撤回により、Charterが再びTWC買収に名乗りを上げるのではないかと、上記メディアは報じている。

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