シスコシステムズは2015年4月23日、企業向けにクラウド型で提供する統合コミュニケーションの新サービス「Cisco Spark」を発表した。チャット形式の会議をベースに、ビデオ会議や資料共有などができる。国内では2015年第3四半期の提供を予定する。1ユーザー当たりの価格は、機能下位版が月額9ドル、機能上位版が月額14ドル。機能を抑えた無償版も用意している。
Cisco Sparkの特徴は、操作性に注力したこと。Webブラウザーからも利用できるが、スマートデバイス(iOS/Android)やパソコン(Windows/Mac)向けに専用アプリケーションを用意した。同社でコラボレーションアーキテクチャ事業担当を務めるアーウィン・マッティー氏(写真1)は、「優れたユーザー体験はチームの生産性を上げる。スマートフォンを初めて使ったときの感動を思い出せ」と、UIの重要性を強調した。
基本的な使い方は、会議部屋を作って、メンバーを招待するというもの。これにより、参加ユーザー間でチャット形式の会議を開始できる。音声通話やビデオ会議を始めることも可能(画面1)。画像やPowerPoint資料などの文書ファイルを共有したり、これらの操作画面をメンバー間で共有したりといった使い方もできる。
顧客対応に向いた簡単操作のビデオ会議端末も用意
同社はさらに、ビデオ会議端末の新製品「らくらくDX」も発表した(写真2)。顧客対応に使うことを想定し、シンプルな操作性を追求した。主として銀行や証券などの金融機関の営業店での使用を想定する。Androidベースの既存のビデオ会議端末「Cisco DX80」「Cisco DX70」に、新たに開発したアプリケーションをバンドルして製品化した。2015年7月の発売を予定する。価格は、ベース機器(Cisco DX80/DX70)よりも3万円ほど高く設定した。
営業店を訪れた顧客は、相談したい内容を選ぶだけで、本部のデータセンターにいる顧客対応の専門家とビデオ会議で相談できる(画面2)。カメラの角度を変えることにより、手元に置いた文書を映すことも可能。これにより、営業店に顧客対応の専門家を配置する必要がなくなり、人材を本部に集約できる。使っていないときに広告を表示するデジタルサイネージ機能も持つ。