フィンランドNokiaの地図事業HEREの買収に、米Facebookや大手自動車メーカーらが関心を寄せていると、ドイツ誌「Manager Magazin」の記事を引用するかたちで、複数の海外メディア(英Reuters米Bloomberg)が報じている。

 Manager Magazinが現地時間2015年4月22日に配信した記事によると、Facebookのほか、ドイツBMW、Audi、Daimlerが組織するコンソーシアム、タクシー配車サービスの米Uber、プライベートエクィティの米Hellman & FriedmanもHEREに興味を示しているという。

 HEREは、Nokiaが2008年に買収した米Navteqをベースに位置関連サービスおよび地域コマースを手がけている。Nokiaは先週、フランスAlcatel-Lucentの買収計画を発表した際、HEREについて売却を含めた「戦略上の選択肢」を検討していることを明らかにした(関連記事:Nokia、Alcatel-Lucentを156億ユーロで買収へ)。

 HEREは近年、車載ナビゲーション関連に力をいれており、2013年の売上高のうち自動車メーカー向け地図提供による収入が過半数を占めている。そのほか、米Amazon.com、中国Baidu(百度)、米Microsoft、韓国Samsung Electronics、米Yahoo!といったインターネット企業にオンライン地図データを提供している。

 HEREの評価額は20億ユーロと試算され、Nokiaは30億ユーロ以上での売却を望んでいる。Nokiaは売却先として、米Apple、中国Alibaba Group(阿里巴巴)、Amazon.comなどを考えているという。

 なおNokiaに関しては、早ければ2016年に携帯端末市場に再参入する意向だと、米IT系メディアサイト「Re/code」が4月20日に報じている。Nokiaは2014年4月に、携帯端末事業を約72億ドルで米Microsoftに売却した。