写真●リサーチ・アンド・ディベロプメントが開催した「アラウンド50女性」についての調査結果の説明会
写真●リサーチ・アンド・ディベロプメントが開催した「アラウンド50女性」についての調査結果の説明会

 消費者の生活全般についての調査を手掛けるマーケティング調査会社、リサーチ・アンド・ディベロプメント(R&D)は2015年5月前半にも、アベノミクスの影響で、消費の最前線に戻って来ていると言われている50歳前後の女性「アラウンド50女性」の現状をまとめたレポートを公表する。

 「バブル体験世代 around50女性の真実」と題するこの有料レポートの発行に先立ち、R&Dは2015年4月17日、レポートの内容を紹介する説明会を開催。概要を公開した(写真)。

 このレポートは、R&Dが2014年に実施した、生活者の総合的なライフスタイル調査「CORE2015」の結果を基に導き出した。COREは、R&Dが1982年から毎年実施している調査で、首都圏40km圏内に住む、18歳から79歳までの男女、合わせて3000人を対象にしている。

 CORE2015では収入や貯蓄、買い物、ファッションなど90項目以上についてのアンケート調査を2014年10月に実施。その結果のなかから、45歳から54歳までの女性である「アラウンド50女性」のデータを抽出し、他の世代や過去の同世代との比較を通して分析した。

 この調査の対象となるアラウンド50女性は、1986年末から1991年春までのバブル景気の時期に青春を謳歌していた。一般に人の価値観は思春期から社会人になるまでの世相に大きく影響を受けるとされる。

 「かつての高額消費に注目が集まる世相に影響を受けて、消費が上向いた今、アラウンド50女性も、前向きでリッチな生活へとシフトしているのではないか」。50歳前後の女性をターゲットに、マーケティングや商品開発を進めたい企業からR&Dに対して、この仮説の答えを知りたいというニーズが多く寄せられていたという。

 そこでR&Dはこの時期が思春期から社会人になるまでの時期と重なる、1965年~1969年生まれのバブル世代に、1959年~1964年生まれの“Hanako世代”を含めて「アラウンド50女性」と呼ぶセグメントに設定。2014年の調査結果をまとめてみた。

「仕事と家庭を両立し子育てがひと段落」は本当か

 「社会人になったころが雇用機会均等法の施行時期と重なり、今でも仕事と家庭を両立。50歳ともなれば、子育てもひと段落したので自由な時間も多く持てる」。こんなイメージがアラウンド50女性につきがちだ。これまでの分析でも、今のアラウンド50女性は、世帯年収が1000万円以上で、自身が使える小遣いは毎月10万円を超えるのではないかという見立てもあった。

 ところが、R&DがCORE2015を基に分析したところ、「日々の生活で不安や悩みを抱えつつも地に足がついた暮らしを送る、アラウンド50女性の実態が見えてきた」と、担当した高田夕子マーケティングソリューション部リサーチエキスパートは話す。