写真1●米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)でデータベースサービス担当副社長を務めるラジュ・グラバニ(Raju Gulabani)氏
写真1●米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)でデータベースサービス担当副社長を務めるラジュ・グラバニ(Raju Gulabani)氏
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写真2●MySQL互換リレーショナルDBの「Amazon Aurora」はレプリカ作成のスムーズさを訴求
写真2●MySQL互換リレーショナルDBの「Amazon Aurora」はレプリカ作成のスムーズさを訴求
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 米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)でデータベースサービス担当副社長を務めるラジュ・グラバニ(Raju Gulabani)氏は2015年4月16日、東京都内で記者会見を開いた(写真1)。パブリッククラウド型データベースサービスの「Amazon Redshift」と「Amazon Aurora」について、価格と性能面での優位性をアピールした。

 ペタバイト級のビッグデータを扱える、データウエアハウス向けのAmazon Redshiftについては、2013年2月の正式提供開始(関連記事)から、順調に顧客を獲得していることを説明した。日本企業では、すかいらーく(関連記事)やNTTドコモ、任天堂などがデータ分析用途で採用しているという。

 親会社の米アマゾン・ドット・コムも、通販サイト「Amazon.com」などで生成されるログの分析環境をRedshiftに移行したという。

 グラバニ氏は、「従来はOracle RACを使っていたが、毎日2テラバイト生成されるログを分析するに当たって、十分なパフォーマンスを得られなくなった。Redshiftに移行して処理速度は10倍以上になり、15カ月分のデータを14分ほどでスキャンできるようになった」とRedshiftの優位性を主張した。

開発者向けマーケティングを重視

 MySQL互換リレーショナルデータベースエンジンのAmazon Auroraは、2014年11月に発表し、現在プレビュー提供中である(関連記事:AWS、MySQL互換で5倍の性能を持つRDBエンジン「Amazon Aurora」を発表)。

 グラバニ氏は、「Auroraは開発に3年をかけ、AWSの他サービスのノウハウも注ぎ込んだ自信作だ。MySQLを前提としたアプリケーションがそのまま動作しながら、読み書きやレプリカ作成の処理が速いことについて、プレビューユーザーから前向きな評価を得ている」と述べた(写真2)。

 独SAPの「HANA」など競合他社はインメモリー型のデータベースを前面に出している。これに対して、グラバニ氏は「コストパフォーマンスを考えると、インメモリーではなく、SSDやHDDを使った方が有利だというのが我々の考えだ」と述べた。

 AWSを拡販するためのマーケティング手法については、「(意思決定層への訴求を重視する)他社の手法とは異なり、当社は開発者をターゲットとしたマーケティングに徹している。開発者に実際に使ってもらって、良い評価を受けることが導入決定につながる」と説明した。

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