フィンランドNokiaは現地時間2015年4月15日、フランスAlcatel-Lucentを買収することで両社が了解覚書(MOU:Memorandum of Understanding)に署名したと発表した。買収総額は156億ユーロで、すべて株式交換方式で行う。

 両社の取締役会はすでに同買収計画を承認しており、今後当局や株主の承認を得る必要がある。手続きの完了は2016年前半を見込んでいる。

 Nokiaは、Alcatel-Lucent株1株につき、新たに発行するNokia株0.55株を支払う。これによりAlcatel-Lucentの株主は統合後の新会社の33.5%を保有し、Nokiaの株主は66.5%を保有することになる。

 Alcatel-Lucent買収により、NokiaはBell Labs(ベル研)を手に入れる。新会社は研究開発関連の従業員4万人以上を抱え、「第5世代(5G)通信、IPネットワーキングおよびSDN(Software-Defined Networking)、クラウド、分析、センサーおよび画像といった将来的技術の開発を促進する立場となる」としている。

 新会社はフィンランドに本社を置き、フランスを中心に戦略的事業拠点や主要な研究開発センターを運営する。NokiaのRisto Siilasmaa会長とRajeev Suri最高経営責任者(CEO)がそれぞれの職を維持し、取締役会は9~10人で構成する。Alcatel-Lucentから3人の取締役を受け入れ、そのうち1人は副会長に就く。

 またNokiaは、位置ベースサービスおよび地域コマースを手がけるHERE事業について、売却を含めた「戦略上の選択肢」を検討していることも明らかにした。

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