写真1●日本IBM、取締役専務執行役員、グローバル・ビジネス・サービス事業本部長のキャメロン・アート氏
写真1●日本IBM、取締役専務執行役員、グローバル・ビジネス・サービス事業本部長のキャメロン・アート氏
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写真2●日本IBM、GBS事業本部、モバイル事業統括部、事業部長の藤森慶太氏
写真2●日本IBM、GBS事業本部、モバイル事業統括部、事業部長の藤森慶太氏
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 日本IBMは2015年4月14日、業務アプリケーションの画面をiPad/iPhoneのネイティブアプリで実装して操作性を高めた業務ソフト群「IBM MobileFirst for iOS」について会見を開き、実際にいくつかの業務ソフトをデモンストレーションしてみせた。使いやすいUI(ユーザーインタフェース)を実現する手段としてiOSデバイスが優れていることをアピールした。

 IBM MobileFirst for iOSは、米IBMと米アップルが共同で開発する業種特化型の業務ソフトである。小売店舗の店員向けやファイナンシャルプランナー向け、保守技術者向けなど、記事執筆現在で全22個の業務ソフトをラインアップする。iPad/iPhoneのユーザーインタフェースを利用して操作性の高い画面を実現している点が特徴だ。その価値について日本IBMでグローバル・ビジネス・サービス(GBS)事業本部長を務めるキャメロン・アート氏(写真1)は、「IBMが持つ業界のコンサルティング/システム構築経験にアップルのユーザー体験が加わる」とアピールする。

 2014年10月には、国内においてもGBS事業本部の中にモバイルを専門に取り組むモバイル事業統括部を立ち上げ、IBM MobileFirst for iOSについてコンサルティングやシステム構築などのSIサービスを開始済み。幕張にはテストセンターも設置した。2015年3月には、当時で全14個あったソフトのうち7個を日本語化した(関連記事:IBMとアップル提携の果実が日本上陸、国内ベンダーとの差異化で本格攻勢へ)。

 モバイル事業統括部で事業部長を務める藤森慶太氏(写真2)は、接客などのフロントエンド業務でモバイル端末を活用する場合、「従来のパソコン用のアプリケーション画面の移植ではだめで、モバイルならではのユーザビリティが必要になる」と説く。個人向けのアプリケーションと同様に、「企業の業務においても優れたユーザー体験を実現する」(藤森氏)とする。

 フロントエンド画面で優れたユーザー体験を実現するために、基幹システムのデータもiPad/iPhone側に持ってきて活用する。藤森氏は例としてECサイトと実店舗の違いについて説明した。「ECサイトは、関連商品や他人が購入した商品をレコメンドする機能を持つ。一方、実店舗では、よほど優秀な販売員にでも出会わない限り、こうした経験はできない。情報を欲している現場に情報を提供するシステムを実現する」(藤森氏)。

画面1●小売店向けソフト「Sales Assist」の画面(顧客の位置を把握してすばやく接客)
画面1●小売店向けソフト「Sales Assist」の画面(顧客の位置を把握してすばやく接客)
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画面2●小売店向けソフト「Sales Assist」の画面(顧客が欲している商品を提案)
画面2●小売店向けソフト「Sales Assist」の画面(顧客が欲している商品を提案)
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 会見会場では、いくつかの業務ソフトをiPadでデモンストレーションしてみせた。このうちの一つ、小売店舗の店員向けソフト「Sales Assist」は、接客を望んでいる顧客が店内のどこにいるかを画面上で把握し、すばやく接客を開始できる(画面1)。顧客が欲している商品を画面上で見せながら(画面2)、顧客の購買履歴や在庫情報を参考にしてパーソナライズされた商品を提案できる。