福岡市とNTT(日本電信電話)は2015年4月14日、ICT(情報通信技術)の利活用によって地域における様々な社会課題の解決を共同で図ることを目的に包括連携協定を締結した。

 今回協定が結ばれたのはこれまで両者が協業し一定の成果を収めたことが大きい。例えば、福岡市無料公衆無線LANサービス「Fukuoka City Wi-Fi」の環境整備、2014年10月から訪日外国人へのサービスとして公衆無線LANと観光アプリを連動させた「J Guidest Fukuoka」のトライアルをJTBグループと展開するなどの実績がある。2015年3月20日の「市民防災の日」には、サイネージやビーコンといった技術を活用した災害時における緊急情報発信のデモなどにも取り組んだ。

 こうした取り組みを進める中で、地域の活性化や市民サービスの向上など様々な社会課題をICTの利活用により解決していく方向性で双方で一致。今回の包括連携協定締結となったという。

 共働事業として、「観光振興に関すること」「地域の安全・安心、災害対策に関すること」を予定する。無線LANやデジタルサイネージ、ビーコン、アプリケーションなどのICT技術を活用し、観光・防災情報の発信やビッグデータを活用した新サービスを開発するアイデアソンなどの実施を予定する。

 さらに「市の魅力発信や地域活性化、市民サービスの向上に関すること」として、福祉・教育に関する分野などに取り組む。

無線LAN対応の自販機も登場

 同日、NTTのグループ会社であるテルウェル東日本は、「Fukuoka City Wi-Fi」に対応した自動販売機を設置したと発表している。

 訪日外国人が多数訪れる「博多どんたく港祭り」や「博多祇園山笠」で、福岡市が観光情報を発信する拠点として、明治通りに隣接した博多DOIMACHIビルの敷地内に設置した。

 同自販機は、災害時には無料で飲料水を取り出せる災害救援ベンダーして機能する。非常食や防災用品を提供する防災ステーションとしての活用も可能だ。

 今後、福岡市は観光情報発信・防災ステーション機能の拠点として、NTTグループと連携して同自販機の設置を進めていく方針。

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