ソフトバンク傘下の米Sprintは現地時間2015年4月13日、携帯無線端末の宅配サービス「Sprint Direct 2 You」を開始すると発表した。Sprintの店舗に出向かなくても、自宅やオフィスなどでスマートフォンやタブレット端末の新規購入や機種変更を行えるようにする。

 Sprint Direct 2 Youでは、専門スタッフが顧客の希望する場所に車で端末を配達し、各種の設定から、連絡先情報、写真や動画、アプリケーションの移行などを行う。ユーザーが新しい端末に使い慣れるよう、操作方法や使い方のコツなども教える。

 年内に5000台の専用車両を用意し、主要都市でサービスを展開する。まずSprintの地元であるカンザスシティー都市圏で同日より実施し、上位機種に買い換えるユーザーを対象にする。4月20日にシカゴとマイアミでも開始し、他の都市にも順次拡大する予定。

 同サービスの対象となる顧客には、テキストメッセージや電子メールで案内が送信される。ユーザーはSprintに電話をかけ、希望の日時と場所を指定する。専門スタッフが指定の時間、場所におもむき、新しい機種のセットアップ、データ移行、カスタマイズなどを行う。古い機種はリサイクルするかどうか選べる。同サービスの利用は無料。

 SprintのRod Millarバイスプレジデントは米The Vergeの取材に対し、たとえば「マクドナルドに6時45分」といった指定が可能だと述べている。スタッフが顧客に対応する時間は約45分から1時間。Millar氏によると、同サービスはカンザスシティーで1カ月間、限定テストを実施していた。

 Sprint Direct 2 Youの提供は、顧客を確保し、数年にわたる顧客離れに歯止めをかけたいSprintの意向を顕著に示していると、米Bloombergは指摘している。米国キャリア第4位のT-Mobileは、サービス加入者が昨年800万人増加し、総加入者数は5500万人と、第3位であるSprintの5590万人に迫っている。

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