東京ケーブルネットワーク(TCN、ホームページ)は2015年4月13日、住友電気工業およびメディアキャストの協力を得て、自治体防災行政無線の音声をテレビから発声させる実証実験を同日から6月30日まで実施すると発表した。ケーブルテレビのコミュニティチャンネルを活用する。

 実験の参加者は、「まず地上デジタルの11ch(TCNコミュニティチャンネル)を選択する」「次にリモコンの黄色ボタンを押す」という簡単な操作で、防災行政無線の音声を、テレビから明瞭に聞けるようになる。この際に、行政からの緊急メールをオーバーレイで画面に表記させることができる。

 特に都心部などでは「防災行政無線が聞こえにくい」という声がよく聞かれる。今回の仕組みを利用すれば、広く普及している地デジ対応テレビを活用して補完できる。

 この実験は、TCNのサービスエリアである東京都の荒川区、千代田区、文京区の協力を得て、住友電工が提供する地上デジタルHDTV・SDTV自主放送センター機「DME-3501」のエンコード技術や、メディアキャストが提供する統合型データ放送ソリューション「DataCaster M3」をベースとするデータ放送技術などを活用して実施する。

 今回の実験の目的は、テレビ視聴者側の追加設備を不要とした情報伝達手段の確立や、地域社会への効果的な安全安心サービスの提供である。多様化するサービスを各世代に合わせた最適な形で利用してもらう手法、操作性、コンテンツ展開などの調査を行う。

 TCNは今後、この検証をもとに、加入者と直接つながっているケーブルテレビの特徴を活かし、利用者宅の1台ごとのテレビに向けた各種情報の提供、操作性の向上や次世代サービスへの活用などの検討を行う。

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