写真1●米オラクルのマーク・ハード(Mark Hurd)CEO
写真1●米オラクルのマーク・ハード(Mark Hurd)CEO
[画像のクリックで拡大表示]
写真2●ホワイトボードでクラウド市場の三分野の競合企業を示しながら説明
写真2●ホワイトボードでクラウド市場の三分野の競合企業を示しながら説明
[画像のクリックで拡大表示]

 米オラクルのマーク・ハード(Mark Hurd)CEO(最高経営責任者)は2015年4月10日、東京都内で開催されたイベント「Oracle CloudWorld Tokyo 2015」の会場内で、報道関係者・ブロガー向けの戦略説明会を開いた(写真1)。

 ハードCEOは、2015年内に日本国内に世界で22番目のデータセンターを開設する方針を改めて説明(関連記事:オラクルがPaaSを日本でも販売開始、2015年中に国内DCを開設へ)。「今回のイベントでは、オラクルがクラウド事業と日本市場を重視していることを示したかった。日本でも多くのパートナーを通じて企業のクラウド移行を支援していきたい」と述べた。

 クラウド分野での取り組みについて、ハード氏は自ら事前に手書きしていたホワイトボードに加筆しながら熱っぽく語った(写真2)。「オラクルはハードウエアやOSとデータベース、Javaの全てを持っている。クラウド分野ではSaaS、PaaS、IaaSという区別がよくされるが、当社は三つを全て提供でき、これらを統合したソリューションも作れる。これを生かして競合に対する差異化を図りたい」と話した。

 ハードCEOはそれぞれの分野でライバルの具体的な社名を挙げながら、自社の優位性を強調した。米セールスフォース・ドットコム(Salesforce)については、「当社はPaaS分野で、LinuxやOracle Database、ミドルウエアや開発ツールなど様々なプラットフォームを取りそろえて売っている。SalesforceもPaaSを売っていると言うが、一体どんなプラットフォームを売っているのだろうか。中身がよく分からないので、ぜひ質問してみたいものだ」と述べた。

 業務アプリケーションやSaaSの分野でライバルに当たる欧州SAPについては、同社が自社のアプリに合わせた業務プロセスの標準化を推奨したことを暗に批判した。「SAPはある時点でアプリを書き換えないという方針を決めてしまった。当時は正しい意思決定だったかもしれないが、今では分からない。オラクルの財務会計・人事管理などのアプリは、年に数回多数の機能を追加している。それでも機能が足りなければ、Javaで開発して本体部分に影響を与えずにカスタマイズできる」と述べて、優位性を主張した。