図●IoTセンサー解析ベースシステムの概要(出典:フォワードネットワーク)
図●IoTセンサー解析ベースシステムの概要(出典:フォワードネットワーク)
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 Hadoop関連のシステム構築サービスを手掛けるフォワードネットワークは2015年4月9日、センサーデータを収集してHadoopなどで分析するシステム基盤製品「IoTセンサー解析ベースシステム」()の販売を始めた。同社がユーザー企業の要望に合わせてカスタマイズし、データ分析システムを構築する。

 センサーデータの収集・分析システムを「市販のセンサー」「Android端末」「Hadoop」を組み合わせて実現する。Android端末がBluetoothやZigBeeなどの近距離無線を使ってセンサーデータを収集し、これをインターネット(3G/LTEやWi-Fi)を通じて非同期でフォワードネットワークのクラウドに転送してHadoopに格納。このクラウド上でデータ分析アプリケーションが稼働し、ユーザーはWebブラウザーを使ってデータ分析結果を参照する。

 データ収集の仕組み、Hadoop環境、データ分析に必要な統計処理などの機能をパッケージ化したことによって、一からスクラッチで開発する場合と比べて開発コストを削減できるという。また、センサーからのデータの収集にAndroid端末を利用するので格安SIMが利用可能であり、運用費用を抑えられる。

 開発期間や価格は案件に応じて異なる。Hadoopやデータ分析アプリケーションはクラウドでの提供が基本となるが、オンプレミス(ユーザー企業の自社所有環境)での提供もできる。クラウドで提供する場合、システム構築の初期費用のほかに、クラウド側のシステムを利用するためのランニング費用が掛かる。ユーザーの要望に合わせて、ZigBeeで通信する独自のセンサーを作成して提供することもできる。

画面●サンプルアプリケーションのWeb画面(外気温・土壌湿度・光度データの集計、検索結果)
画面●サンプルアプリケーションのWeb画面(外気温・土壌湿度・光度データの集計、検索結果)
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 サンプルアプリケーションも公開している(画面)。土壌センサー(仏ParrotのFlowerPower)から取得した外気温、土壌湿度、光度データについて、リアルタイム値、集計データ、検索結果などを参照できる。このケースでは、土壌データの正確な計測によって収穫時期を適切に判断できるようになり、収穫量や品質の維持、向上といった効果が期待できる。