ベンチャー企業のモイは2015年4月8日、同社の運営する無料ネットサービス「ツイキャス」の登録利用者が1000万人を超えたと発表した。ツイキャスはスマートフォン(スマホ)を使って手軽に動画の生中継ができるサービス。2010年2月にサービスを始め、女子高生を中心に人気を集めた。今後は海外での利用者増や企業利用の拡大に注力。2016年中に2000万人突破を目指す。

 ツイキャスの登録利用者は、スマホだけで生中継の動画を配信できる。閲覧するだけなら、登録しなくても使える。動画生中継の専用機材が不要な手軽さから、サービス開始以来、毎年倍のペースで登録利用者を増やしてきた。

 実際に使っているアクティブユーザー数は非公表だが、登録利用者についてはその過半を占めるとみられる。このほかに、登録せず動画を閲覧するだけの利用者も多数存在する。

 当初の利用者層は女子高生などの若い女性が圧倒的に多く、もっぱら友達同士のおしゃべりに近い日常的な会話に利用されていたという。その利用者層を狙って、女性向けの雑誌や音楽を手掛ける企業が、商品情報の配信に活用。最近では利用者層が大人や男性にも広がり、日本維新の会が党大会の様子を配信したり、浦和レッドダイヤモンズがサッカー選手の対談を配信したりしている。

 モイは今後、全利用者の2割程度にとどまっている海外での利用者拡大に注力する方針。日本に次いで利用者の多いブラジル向けにポルトガル語のサポート要員を設けたほか、米国にも拠点を設置した。サービス自体についても、より簡易に動画を配信できるよう使い勝手を改善する。