総務省は2015年4月8日、衛星基幹放送による超高精細度テレビジョン放送(4K・8K試験放送)の試験放送の実施に向けた関係省令などの一部改正案に関する意見募集の結果を発表した。

 10件の意見のうち、一部に要望を盛り込んだものがあったものの、同案に対し反対するものはなかった。これを受けて総務省は、それぞれを賛成意見とする考え方を示した。

 総務省は今回の意見募集の結果を踏まえ、2015年4月8日に基幹放送普及計画の一部改正案について電波監理審議会へ諮問し、原案を適当とする答申を受けた。今回の改正案の概要は、(1)4K・8K試験放送の実施に関する規定の追加、(2)「新たな難視地区」における地デジ受信対策完了に伴う規定の整理――である。

 (1)では、BSでの4K・8K試験放送を実施できるようにするため、基本的な指針を新たに規定した。具体的には、「実施主体」(NHKとNHK以外の基幹放送事業者の2者)、「実施方法」(周波数分割方式または時分割方式)、「放送時間上限」(それぞれ12時間。周波数を分割せずに利用する場合)、「試験放送の期間」(4K・8Kの本放送または実用化試験放送が開始されるまでの間)を規定として追加した。

 (2)では、「新たな難視地区」において2015年3月末までに地上デジタル放送の受信を可能とする旨の規定について、この対策が基本的に完了したことからこれを削除する。さらに衛星セーフティネット事業の終了までに難視聴対策を踏まえたNHKの衛星基幹放送の在り方についての検討を求める規定について、難視聴世帯がほぼ解消されているなどの理由から削除する。

BSでの4K・8K試験放送の放送事業者の公募は今秋ころに実施

 総務省は意見募集の結果および電監審の答申を踏まえ、速やかに制度整備を行う。今回の制度整備によって、例えばBSでの4K・8K試験放送について、ハード(衛星基幹放送試験局)の制度整備が完了することになる。4K・8K試験放送のハードに対する免許付与の完了後に、ソフト(認定基幹放送事業者)の公募・申請が行われることになる。総務省はソフトの公募・申請の時期を2015年秋ころとしている。

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