写真1●AppleのAngela Ahrendtsシニアバイスプレジデント
写真1●AppleのAngela Ahrendtsシニアバイスプレジデント
[画像のクリックで拡大表示]
写真2●4月10日からのApple Wathc予約受付を告知するApple Online Store
写真2●4月10日からのApple Wathc予約受付を告知するApple Online Store
[画像のクリックで拡大表示]


 米Appleは4月24日に発売する腕時計型端末「Apple Watch」を機に、新製品の販売方法を大きく変えるようだと、複数の海外メディア(米Business Insider米Bloomberg米Computerworldなど)が報じている。

 それによると、AppleはApple Watchの発売に際し、直営店「Apple Store」の前で行列をつくってほしくないと考えている。Apple Watchの注文はオンラインで行い、製品は店舗で受け取るのではなく、自宅に届くのを待つよう勧めるという。

 英アパレル大手Burberryの元CEOで、昨年Appleの小売り/オンライン販売部門責任者に就任したAngela Ahrendtsシニアバイスプレジデントが、Apple直営店のスタッフに宛てたメモでそう述べたという(写真1)。

 このメモを入手したBusiness Insiderの英国サイトによると、Ahrendts氏は「製品を買うために列に並ぶという時代は終わりました」とし、Apple Watchや新しい「MacBook」を購入するには、Apple Store用のアプリや同社のオンラインストアの方がはるかに容易であることを顧客に説明してほしいとスタッフに指示している(写真2)。

 同氏は「これは大きな発想の転換」とも述べ、「これを実現させるためにはスタッフの協力が必要。お客さまにオンラインの方が入手が容易なこと、オンライン注文が簡単に行えることを説明してください」と指示している。

 Business Insiderは、同氏のこのメモは、Apple Watchが当初品薄状態で、店舗が持つ在庫が限定的であることを示していると伝えている。供給が需要に追いつかず、顧客が不満を抱くことをAppleは懸念している。顧客をオンライン店舗に導くことで、そうした問題をいくらかでも解消する狙いがあるとBusiness Insiderは伝えている。

 このメモをBusiness Insiderに提供した情報筋によると、英国でApple Watchを入手する方法は、オンライン注文と自宅への配達のみとなる。たとえApple直営店を訪れ、試着後に購入を決めたとしても、スタッフが店内の専用機でオンライン注文を行う。製品は後日自宅に届けられるという。

 また米国では、顧客が求めれば店舗で受け取ることもできるが、基本的に英国と同じ販売方法。顧客はオンライン注文し、自宅で受け取るよう勧められるという。

 Appleは4月10日に、Apple Watchの注文受付を開始する。また同日から米国、英国、日本、カナダ、中国、香港など9カ国/地域の店舗で、予約制による試着が可能になる。