提携したゲオホールディングスの遠藤結蔵社長(左)とNTTコミュニケーションズの庄司哲也副社長(右)
提携したゲオホールディングスの遠藤結蔵社長(左)とNTTコミュニケーションズの庄司哲也副社長(右)
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新たに扱う端末中国ファーウェイの「Ascend G620S」(左)とプラスワン・マーケティングの「freetel priori2」(右)
新たに扱う端末中国ファーウェイの「Ascend G620S」(左)とプラスワン・マーケティングの「freetel priori2」(右)
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 レンタルビデオや中古品販売などを展開するゲオホールディングスとNTTコミュニケーションズは2015年4月2日、MVNO(仮想移動通信事業者)事業で提携すると発表した。ゲオが、新品や中古のスマートフォンを格安SIMとセット販売する店舗「ゲオモバイル」を全国で本格展開。NTTコムは自社のMVNOサービスをゲオに相手先ブランドで供給する。

 ゲオモバイルは4月時点でまず50店舗を展開する。このうち中核の約10店舗は、店頭でMNP(携帯電話番号ポータビリティ)にも対応でき、即日の手続きで新しいSIMに今までの電話番号を引き継げる。NTTコムの庄司哲也副社長は、「当社にとって店頭でMNPに対応できる協業先は初めて。店舗も消費者の生活圏内にあり、魅力的な販売チャネルだ」と、期待感を表明した(写真1)。ゲオの遠藤結蔵社長は「中古携帯端末を扱うなど通信分野を強化してきたが、市場拡大には通信事業者との提携が必要だった」と今回の狙いを説明した。

 店頭では中古スマホのほか、MVNO向けに中国ファーウェイ製など2機種の新品スマホを用意した(写真2)。端末だけの購入も、今回投入するゲオブランドのSIM「ゲオスマホ」とのセット購入もできる。ゲオスマホの料金は月額900円からとNTTコムの「OCNモバイルONE」と同等だが、端末とSIMのセット購入で端末代金を割賦で支払えたり、ゲオのレンタルビデオ料金を毎月100円割り引いたりする特典を加えた。

 ゲオはレンタルビデオ店「ゲオ」や中古品販売「セカンドストリート」など1000以上の店舗を持ち、SIM単体の販売はこれらの店舗に順次広げる。端末や専門スタッフを置くゲオモバイルはこれらの店舗に併設するほか、単独出店にも力を入れる。MNPに対応できる店舗も順次拡大する。4月3日には東京・渋谷に都市型の旗艦店をオープンさせ、3年以内で100店に拡大させる計画だ。

 一部店舗は大手通信事業者の販売代理店も兼ねており、既存サービスと格安SIM、新端末と中古端末の両方を選べる「フルラインナップ型」の珍しい携帯電話販売店となる。端末買い取りにも力を入れるなど、携帯電話サービスに関する広範なニーズに対応していく。

 ゲオは2014年度に30万台の中古端末を販売しており、新業態によって2015年度は新品・中古を合わせて100万台と販売台数の大幅増を見込む。このうち9割を中古で占めると見ている。NTTコムの庄司副社長は「100万台のうち2割は(NTTコムが供給するゲオブランドの)SIMとセット購入になると見ている」と予測した。ただしゲオの2014年度実績では、約4割の顧客が中古端末とSIMを同時購入したという。