写真●Amazon.comのDash Button紹介ページ
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 米Amazon.comは、「Dash Button」と呼ぶ小型機器を使って、日用品を手軽に注文できるサービスを米国で開始した。Wall Street JournalTechHiveCNETなどの米メディアが現地時間2015年3月31日に報じた。

 Dash Buttonはチューインガムほどの大きさの機器で、前面には商品ブランドのロゴが記してある。Amazonが配布するスマートフォン用アプリで、あらかじめそれぞれのDash Buttonごとに無線LAN接続、商品種類、数を設定し、機器の右部分にあるボタンを押すと、商品が2日以内に届く。

 子どもなどがボタンを押して誤発注してしまうのを防ぐため、注文が入るとスマートフォンに通知が届き、30分以内であればキャンセルできる。また初期設定ではボタンを何度押しても、商品が届くまでは次の注文は入らないという。

 1つのDash Buttonに付き、1つの商品を割り当てるという仕組みで、Amazonはこれらを家庭のさまざまの場所に貼り付けて利用してもらいたい考え。例えば、洗濯機には洗濯洗剤の「Tide」、洗面所にはかみそり刃の「Gillette」、冷蔵庫には飲料の「Gatorade」などと、それぞれのDash Buttonを置いてもらうことを想定している。

 AmazonのWebサイトによると、Dash Buttonは、年会費99ドルの会員制プログラム「Amazon Prime」のメンバーに追加料金なしで配布する(写真1)。ただし現在のところ招待制となっており、希望者はサイトでリクエストを出し、電子メールの招待状を待つ必要がある。CNETによると、現在Amazonが用意しているDash Buttonのブランドは約18種。1人の利用者に付き3つまで配布するという。

 このほかAmazonは、外部企業と連携し、商品の自動注文を可能にする「Dash Replenishment Service(DRS)」を発表した。これはさまざまな機器に消耗品の使用期限などを感知するセンサーを組み込み、Amazonへの注文を自動化するというサービス。Wall Street Journalによると、Amazonは同サービス開始に向けて浄水器メーカーのBRITA、家電メーカーのWhirlpool、ブラザー工業などと提携した。Britaは現在、フィルターの交換時期が来ると自動でAmazonに注文するポット型浄水器を開発している。またWhirlpoolは、洗剤とシート柔軟剤を自動注文する洗濯機と乾燥機を、ブラザー工業はインクカートリッジを自動注文するプリンターを、開発しているという。