写真1●NTTコミュニケーションズ 取締役 ボイス&ビデオコミュニケーションサービス部長の丸岡亨氏
写真1●NTTコミュニケーションズ 取締役 ボイス&ビデオコミュニケーションサービス部長の丸岡亨氏
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写真2●Arcstar UCaaS Microsoftタイプのデモンストレーション画面
写真2●Arcstar UCaaS Microsoftタイプのデモンストレーション画面
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 NTTコミュニケーションズ(NTTコム)は2015年3月30日、グローバル企業や大企業を主なターゲットに、ユニファイドコミュニケーション(UC)ソフト「Microsoft Lync」をクラウド型で提供するサービス「Arcstar UCaaS Microsoftタイプ」を発表した。4月13日から国内で提供開始する。同社は従来、米シスコシステムズのUC基盤を採用したUCサービス「Arcstar UCaaS Ciscoタイプ」を提供してきた。今回、米マイクロソフトのUC基盤を採用したUCサービスを追加し、Office 365との連携など広範な需要をカバーする。

 今回NTTコムは、クラウド型UCサービスであるArcstar UCaaSのラインアップを拡充し、Microsoft Lyncを採用したUC基盤を新たにメニュー化した。メールサーバーとして米マイクロソフトのOffice 365(Exchange Online)を使っているユーザーは、UC基盤にLyncを使うことによって、在席確認やチャット/ビデオ会議といった各種のUC機能を、メールからシームレスに連携できるようになる。

 既存のCiscoタイプと比べたMicrosoftタイプの位置付けについて、NTTコムでボイス&ビデオコミュニケーションサービス部長を務める丸岡亨氏(写真1)は「PBXのリプレースという需要に加えて、他のアプリケーションと連携させる需要も大きい」と説明する。CiscoタイプはUC基盤に「Cisco Hosted Collaboration Solution」(HCS)を採用しており、より高度なPBX(構内交換機)機能を利用できることや米シスコシステムズ製IP電話機との連携に強みがある。

 製品発表会では、実際にメールとの連携をデモンストレーションして見せた。デモでは、受信メールを参照しながら送信者のプレゼンスを確認。送信者は会議中だったので、文字でのチャットを開始した。この際に、受信メールのタイトルを引き継いだ形でチャットを開始できている(写真2)。その後、チャットからテレビ会議やWeb会議に移行したり、関係者を会議に招へいしたりといった様子を見せた。

 利用料金(税別)は、以下の通り。すでにExchange Onlineを使用中のユーザー向けにLyncエンタープライズボイスのサーバー機能を提供するメニュー「UCaaS for Office 365」は、1ID当たり月額600円。Exchange Online機能を含めて提供するメニュー「UCaaS Pro」は、1ID当たり月額850円。これとは別に、Microsoft LyncのCAL(クライアントアクセスライセンス)が必要になる。

 Arcstar UCaaS Microsoftタイプは、国内で提供を開始した後に、米国、欧州、アジア太平洋地域へと順次展開する予定。グローバル展開に当たっては、NTTコムが2014年に買収したフランスのアルカディン・インターナショナルのノウハウを活用する。アルカディンは2014年7月からMicrosoft Lyncのクラウドサービスを北米や欧州で展開しており、Arcstar UCaaS MicrosoftタイプのUC基盤には、この技術を取り入れているという。