写真1●ヤフー 執行役員 社長室長の別所直哉氏(右)、有識者会議の委員長で東京大学名誉教授の内田貴氏(中央)、同会議委員で早稲田大学大学院法務研究科 教授の長谷部恭男氏(左)
写真1●ヤフー 執行役員 社長室長の別所直哉氏(右)、有識者会議の委員長で東京大学名誉教授の内田貴氏(中央)、同会議委員で早稲田大学大学院法務研究科 教授の長谷部恭男氏(左)
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写真2●検索結果のリンクの非表示にする判断の基準
写真2●検索結果のリンクの非表示にする判断の基準
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写真3●欧州での検索リンク削除判決に対する有識者会議の考え方
写真3●欧州での検索リンク削除判決に対する有識者会議の考え方
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 ヤフーは2015年3月30日、Yahoo! JAPANのキーワード検索結果について、プライバシー侵害につながる記事へのリンクを削除するよう当事者に求められた際の対応方針を明らかにした(対応方針へのリンクを示したYahoo! JAPAN政策企画のサイト)。

 これまで社内で蓄積していた判断基準を明確化したもので、「これまでと大きく異なる対応をするわけではない」(ヤフー 執行役員 社長室長の別所直哉氏、写真1)という。同年3月31日から適用を始める。

 まず原則として、ヤフーがリンクの削除(非表示措置)要請に応じるのは、既に裁判所がリンク先Webサイトの管理者やプロバイダーにコンテンツの削除を命じる判決や決定を下し、その書類の提出を当事者から受けた場合となる(写真2)。

 つまり、裁判所によるWebサイト削除の判決が先にあり、かつ判決通り削除されていない場合に、ヤフーは検索リンクの削除に応じる。「判決は確定したものが望ましいが、(控訴や上告などで)確定していない判決であっても内容によっては応じる」(別所氏)。

 例外として、裁判所による判決や決定がない場合でも、リンク先Webサイトの記載に「権利侵害の明白性」があり、かつ「侵害性の重大性」または「非表示措置の緊急性」があるとヤフーが認めた場合には、あらゆる検索キーワードに対してリンクを非表示にする。特定の人物の生命・身体を具体的・現実的危険にさらす情報の掲載や、第三者の閲覧を前提としない性的な動画像(いわゆるリベンジポルノなど)の掲載などがこれに当たるという。

 検索結果に表示されるタイトルやテキストの抜き出し(スニペット)については、権利侵害が明白に認められる場合、当事者の氏名など特定のキーワードで検索した場合の検索結果に限り、タイトルやスニペットの非表示措置に応じる。例えば、一般人の氏名にひも付く形で、理由なく住所、電話番号、家族構成、病歴、名誉を傷つける情報が表示されていた場合がこれに当たるという。