Facebookの中国向けサイト
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 米Facebookが中国企業と提携し、同国広告事業の強化を図っていると、米Wall Street Journal(WSJ)が現地時間2015年3月29日に報じた。

 FacebookのサービスはTwitterなどと同様に、2009年から中国本土でアクセスが遮断されている。そうした中、同社は数年前に香港に営業所を開設。中国企業を対象にした広告販売に力を入れている。Facebook上の広告は中国本土の消費者が目にすることはない。だが、世界に13億9000万人のユーザーを抱える同社サービスは、国外市場を狙う中国企業にとって有益な広告プラットフォームであると、アピールするのが狙いという。

 Wall Street Journalによると、Facebookは上海のオンラインゲーム会社、Youzu Interactiveのような広告主を増やしたい考え。Youzu Interactiveは約1000万元(160万ドル)の広告予算のほとんどをFacebookに費やし、人気ゲーム「League of Angels」の登録プレーヤー数を2倍以上に増やしたという。

 また現在Facebookと広告事業で提携している企業は、Beijing Zoom Interactive Media(PZoom)と、中国の広告代理店Shanghai TianQing Info Tech傘下のMeetSocial。このうちMeetSocialは2014年、Facebookと中国本土の広告事業でパートナー契約を結んだ。同社には、留学生などを募集したいビジネススクールといった顧客が100社以上あり、Facebookの広告に毎月数千~100万ドル以上を費やしているという。

 Facebookの2014年10~12月期における広告売上高は35億9000万ドル。Wall Street Journalによると、このうちアジア地域の売上高は5億3100万ドルで、その前年同期比伸び率は67%だった。Facebookは国別のデータを公表しておらず、中国の広告売上高については分からない。だが同社のアジア事業にとって中国広告主の重要性はますます高まっているとWall Street Journalは伝えている(関連記事:FacebookのQ4決算は49%増収、34%増益、モバイルが引き続き好調)。