Googleの英国向けサイト
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 英控訴院は現地時間2015年3月27日、米Googleに対する英国消費者のプライバシー訴訟は無効であるとするGoogleの主張を退けた。これにより、英国で同社を相手取った集団訴訟が進められることになる。

 原告側が問題としているのは、Googleが米AppleのWebブラウザー「Safari」を通じて実施していたWeb履歴追跡。Safariではサードパーティーのクッキーを拒否する初期設定になっているが、Googleは特定の条件下でこのプライバシー設定を迂回する方法を利用し、同社傘下の広告ネットワーク「DoubleClick」のクッキーを使ってユーザーのWeb閲覧に関する情報を収集していた。Googleはこの問題で2013年11月に、1700万ドルを支払うことで米国37州およびコロンビア特別区と和解している(関連記事:Google、「Safari」を介したWeb履歴追跡問題で37州と1700万ドルで和解)。

 英国でユーザーが同様にGoogleをプライバシー侵害で訴える権利を主張すると、Googleは「裁かれるべき深刻な問題はなく、原告は金銭的損害を受けていない」として、訴訟の棄却を求めた。しかし、英高等法院がGoogleの主張を退けたため、同社は上訴していた。

 集団訴訟の申請を管理するために設置された非営利団体Google Action Groupによると控訴院は今回、高等法院の判断を支持し、「ユーザーの主張は深刻な問題を提起するもので、審問を行うに値する」と結論づけた。

 原告の1人であるJudith Vidal-Hall氏は控訴院の判断を歓迎し、「私のような一般的なコンピュータユーザーは、Googleの受け入れがたい不道徳かつ不正な行為について法廷で責任を問うことができる」と述べている。2011年夏から2012年春にかけて、Appleの「Mac」「iPhone」「iPad」を使用していた英国ユーザーは、同集団訴訟に参加できる。

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