図●2015年3月29日に発生した三菱電機製テレビ障害の該当機種(出所:三菱電機発表資料)
図●2015年3月29日に発生した三菱電機製テレビ障害の該当機種(出所:三菱電機発表資料)
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 三菱電機は2015年3月29日、同社の液晶テレビ「REAL」シリーズで3月29日0時から「視聴中または録画予約中に電源がOFF/ONを繰り返す」という障害が発生していたと発表した。原因は「特定放送データ」の配信で、同日12時(正午)ごろに配信内容を変更したところ、障害が発生しなくなったとしている。

 障害が発生したのは、2010年以降に製造された液晶テレビ「REAL」シリーズで、出荷済みの約162万台のほぼ全数が該当するという()。三菱電機広報部によれば、該当機種には「オンエアダウンロード」という仕組みがある。放送電波に機器のソフトウエア更新のためのデータを乗せた「特定放送データ」を配信し、機器側で自動更新する仕組みだ。この特定放送データが障害の原因となったという。

 三菱電機は業界団体のデジタル放送推進協会(Dpa)に更新データを提供し、Dpaが他社分をまとめて放送電波に乗せる運用をしている。Dpaが提供する特定放送データは、三菱電機以外のテレビメーカーも利用している。

 三菱電機は、Dpaが配信したデータのうち、他社が提供したデータが不具合の原因になったとみている。該当データを除外するようDpaに申請したところ、三菱電機のテレビでの障害は発生しなくなった。

 ただし、同じデータを受信していた三菱電機製以外のテレビでは障害が起きていない。三菱電機は、他社が提供したデータに問題があった可能性と、自社のテレビのソフトウエア更新の仕組みに問題があった可能性の両面から、詳しい原因を調べている。

三菱電機の発表資料